日本市場全体の伸びに貢献する ビジネスイベント需要
ビジネスイベントの旅行消費額拡大に期待
オーストラリアを訪れる日本人旅行需要が順調に伸び、ビジネスイベント目的の日本人旅行者も着実に増えている。日本の上場企業の過去最高収益が塗り替えられ、業績好調の企業による今後の需要増も予想される。そんな期待が高まるなか、オーストラリアにはビジネスイベントの最有力デスティネーションとなり得る確かな理由がある。
訪豪旅行需要が大幅増
オーストラリアを訪れた日本人旅行者数は2 0 2 3 年が約3 0 万人だったのに対し2024年は約40万人と33.0%も増えた。このうち観光目的の旅行者だけで比較すると2 0 2 3 年の約1 8 万人から約2 6 万人へ44.1%も増加している。2024年の世界各国からの訪豪旅行者数は前年比13.9%増の合計8 2 0 万人で、観光目的だけでは24.1%増の360万人。日本市場は全体傾向よりはるかに大きく伸びているわけだ。
2024年の日本人旅行者の経験度を見ると、リピーターが前年の38%から42%へ増加し、初訪問者は62%から58%に減少しており、市場としてより成熟していく傾向にある。
旅行支出や観光消費額も増大
日本人旅行者の消費額も伸びており、2024年の旅行総支出は16.7%増の21億AUDとなり、オーストラリアでの消費額も16.7%増の14億AUDにとなった。これを観光目的の旅行者だけで見ると消費額は6 億8210万AUDで前年より66.1%も伸びている。
概ね順調な数字が並ぶが、減少傾向にあるのが1 回当たりの消費額で、前年の6446AUDから5799AUDに10%減っている。消費額の増大は直接、あるいは間接的に関連事業者の収益増につながるだけに、ビジネスイベント促進は日本とオーストラリアの両旅行業界にとっての課題といえる。この1回当たりの消費額を拡大するうえでも消費額が大きいビジネスイベント需要の取込みは重要性を増している。
ビジネスイベント企画を情報面で支援強化
ビジネスイベント促進に取り組むオーストラリア政府観光局(TA)は、その一環として情報面での支援を強化。ビジネスイベント・オーストラリア(BEオーストラリア)のサイトを通じてMICE関連の最新情報やプランニングに役立つアイデアを提供。
参照:https://businessevents.australia.com
オーストラリアビジネスイベント8つの魅力
①充実のアクセス
成田、羽田、関空からオーストラリア5都市(ブリスベン、ケアンズ、メルボル、パース、シドニー)へ直行便が運航され選択肢は豊富。新千歳からの季節運航を含め今後路線拡大の見込み。
②快適な気候
南半球に位置するオーストラリアは日本と季節が反対なので避暑や避寒に最適。主要都市は四季の楽しみも豊富で、ケアンズやゴールドコーストは年間を通して温暖・快適だ。
③抜群の治安
日本並みの治安の良さはビジネスイベント開催地として最大のメリットだ。飲食店や宿泊施設などの衛生管理や水道水の品質管理も信頼でき健康・衛生面の不安がないのもアドバンテージ。
④充実のホテル
2020年以降、200以上のホテルが開業または改装され、最大1900室が増加。最高級ブランドのシティリゾートホテルから個性的なプチ・ホテルまでラインナップも豊富だ。
⑤多彩なベニュー
世界クラスのコンベンションセンターが各主要都市に完備されている。船や島、庭園、テーマパーク、アウトバックなどあらゆる場所がユニークベニューとして活用できる。
⑥美食とワイン
西洋と東洋をフュージョンしたモダンオーストラリア料理や世界的に人気のワインなど、極上のフード&ワインを提供。移民の国だけに世界各国の本格料理や和食も楽しめる。
⑦雄大な大自然
世界遺産大国のオーストラリア。世界最大級の一枚岩や珊瑚礁群、熱帯雨林、山脈などの多くは主要都市からのアクセスも良好。現地で参加のアクティビティ体験も魅力だ。
⑧時差わずか1時間
日本と、ほぼ真南に位置するオーストラリアにはほとんど時差がない。東部が+1時間、西部が-1時間で夏時間でも最大差は2時間。時差ボケが起こりにくく、日本と同じ時間帯に連絡を取り合えるメリットは大きい。
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