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2024.04.25

WING

「H3」3号機、打上げ向け種子島で準備進む

 「だいち4号」搭載、「だいち4号」は開発完了

 

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、文部科学省の宇宙開発利用部会に対して、先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)と、同衛星を搭載して打ち上げ予定の「H3」ロケット3号機の開発・準備状況をそれぞれ報告した。
 「H3」ロケット3号機についてJAXAの岡田匡史理事とH3プロジェクトチームの有田誠プロジェクトマネージャが報告。機体形態は1号機、2号機と同じく「H3-22S」とすることを明かした。ただ、第1段エンジンについては「Type1A」を2基搭載することとし、試験1号機の「Type1」2基、2号機の「Type1」1基と「Type1A」1基の仕様から変更する。第2段(LE5B)および搭載機器については、2号機と同じだ。
 「H3」は既に第1段部分が去る3月29日、射場のある種子島へと搬入済み。今月2日には1段機体射座据え付け(VOS)作業を、翌3日に2段機体のVOS、12日と13日の2日間でSRB-3のVOSを完了し、ロケットの組立を完了した。
 今後、衛星フェアリングのVOSを行って、5月下旬を目標に極低温点検を実施する計画。その後、推進系および電気系統の機能点検、「だいち4号」を衛星フェアリングへと格納・VOSし、最終機能点検、リハーサル、アーミング/クローズアウト、そしていよいよ射場へ機体を移動させて打上げというステップへ踏み込んでいく。

 

 性能大幅アップの「だいち」シリーズ
 高分解・広域・多頻度観測

 

 この「H3」ロケット3号機によって打ち上げられる「だいち4号」は、地震や火山噴火水害、土砂災害、森林火災など、頻発する災害監視および状況把握、地理空間情報の整備・更新などを目的とした地球観測衛星「だいち」シリーズの衛星だ。「だいち」、「だいち2号」のLバンドSAR(合成開口レーダ)ミッションを継承しつつ、さらなる高分解能、観測幅及び観測頻度を向上する。

 

※写真=H3ロケット3号機の打ち上げ準備が種子島で進む。写真は試験2号機(提供:JAXA)

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