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2020.10.28

ウイングトラベル

★ANAHD上期、四半期純損失が1884億円に

 通期は5100億円の巨額純損失、構造改革急ぐ

 ANAホールディングス(ANAHD)は10月27日、2021年3月期第2四半期決算(4-9月)を発表した。それによると、四半期純損失が1884億円(前年同期:567億円の黒字)から大幅な赤字に転落した。通期業績予想でも最終損失が5100億円に達する見通しにあるなど、新型コロナの影響で取り巻く環境は一層厳しい状況だ。
 第2四半期決算における期間中の売上高は2918億円と、前年同期の1兆559億円から72.4%もの減収に。営業費用は41.4%減少した5727億円(同:9771億円)となり、営業損益は2809億円の損失(同:788億円の黒字)、経常損益ベースでも2686億円の損失(同:815億円の黒字)を計上した。
 通期業績見通しでは、「好調な国際線貨物に加えて、足元では国内線旅客需要の復調が鮮明に表れている」一方、「上期の減収規模が大きい」(福澤一郎取締役常務執行役員)として、売上規模は前年比6割減少する7400億円と、大幅な減収が見込む。運航規模の抑制や人件費、機材費などの固定費削減に継続して取り組むことで、営業損失が5050億円、経常損失は5000億円に達する見通しだ。

 

 片野坂社長、国内線は年末年始はコロナ水準回復
 先行き見えぬ国際線、劣後ローンで4000億円調達
 航空事業、売上高74.6%減の2367億円
 国際線旅客収入94.2%減、国内線も78.6%減
 旅行事業、海外ツアー催行中止で営業損失40億円
 航空関連事業、支援業務大幅減で売上19.6%減

 また、旅行事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外旅行・国内旅行ともに大きな影響を受けた。海外旅行は渡航制限の影響により、グループが主催する全ツアーの催行を中止に。一方で国内旅行は7月からの「Go To トラベルキャンペーン」の後押し等もあり、需要は徐々に回復しているが、前年同期と比較すると低位に留まっているという。こうした結果、売上高は138億円(同:83.2%減)、営業損失40億円(同:営業利益13億円)となった。