ウイングトラベル
★ロスカボス、日本市場への投資を継続
日本人2割増、今後の成長にも期待
メキシコのリゾート地として人気の高いロスカボス観光局より、ロドリゴ・エスポンダ局長が来日、本紙とのインタビューに応じた。エスポンダ氏は、「日本は主要な市場のひとつであり、今年1~6月の日本人訪問者数(ロスカボス空港到着者ベース)は前年比20%増となった」と述べ、好調ぶりをアピール。「これまで以上に急速な成長が見込めると確信している」とし、日本市場への投資を継続する姿勢を見せた。
日本マーケットはロスカボスにとって6番目に大きな国際市場。エスポンダ氏は「距離が離れていることを考えると、これはとても重要な成果だ」と語る。また「メキシコ全体への日本人訪問者数の回復が遅い中での着実な増加は、日本事務所を設け、旅行会社やメディアと継続的に連携してきた成果だ」と評した。
※写真=左からロスカボス観光局日本地区マネージャー志田朝美氏、局長ロドリゴ・エスポンダ氏
特に好調の要因としてあげるのが認知度の向上。「2年前は旅行会社のパンフレットにロスカボスの商品は掲載されていなかったが、今では掲載されている。旅行業界に向けた認知拡大への取り組みが奏功した」と話す。
またメディア露出の強化にも取り組んだ。「有料広告に限らず、編集記事においても単なるホテルの魅力だけではない自然やグルメ、文化などロスカボスの魅力が紹介されている。他のリゾートとは異なる新しいデスティネーションとして、持続可能性や自然との共生が進むリゾートとしての魅力を伝えることができた」と振り返る。
旅行会社やメディアを対象とした研修旅行は「年に4~5回」実施。「ロスカボスというデスティネーションを理解してもらうことが目的」で、「クジラやゴルフ、グルメや文化など、唯一無二の体験ができると高い評価をいただいている」と手応えを語った。
カップル、友人グループをターゲットに
現地オペレーター、BtoC展開も強化
今後の日本市場のターゲットについては、「カップル」と「友人グループ」の2つを重視。カップルはハネムーンや記念旅行を意識し、「多彩なアクティビティを自由に組み合わせられる点を強みにしたい」と語る。友人グループはゴルフやスパ、女子旅などを訴求、「意味のある時間を共有できる」点をアピールする。
引き続き日本事務所を拠点に、旅行会社とメディアとの連携を図るほか、今後は現地オペレーターへ教育にも注力。「実際に手配を行うオペレーターの方々に現地を体験してもらい、商品知識を深めてもらうことで、ロスカボスのエキスパートになっていただきたい」と方針を語った。
また一般消費者へのアプローチにも力を入れる。「広く浅くではなく、明確にセグメント化されたターゲットに対し、適切なチャネルとパートナーを通じて、ロスカボスの認知度をより広く、正確に高めていきたい」と意欲を見せた。
ダイビング需要の獲得にも注力
「年間通じて訪れる」デスティネーションに
さらに来年以降は、ダイビング需要の開拓にも注力する。観光局日本地区マネージャーの志田朝美氏は「これまではゴルフやグルメを中心に訴求してきたが、来年からはダイビングを新たな柱として展開していきたい」と意気込む。
ダイビングは「12~4月のオンシーズンへの集中を避け、通年での訪問を促すことができる」メリットもある。観光局では新たに「ダイビング&マリンガイド」を作成。主要スポットや季節ごとの海洋生物、遭遇エリアなどを掲載し、今後日本語化も検討する。
具体的には、来年4月の「マリンダイビングフェア」出展や日本のダイブショップとの連携も図る意向。さらに「ロスカボスには日本人オーナーのダイビングショップもあり、連携の可能性は大きい」(エスポンダ氏)と期待を見せる。
ロスカボスでは、さまざまなスポットでダイビングが楽しめる。なかでも9~10月には、コルテス海のギンガメアジの群れが「渦を作って泳ぐ」様子を見ることが可能。また10月からはオルカ(シャチ)とイルカの遭遇ツアーがスタートするという。
またガイドには、環境保護ガイドラインも掲載しており、エスポンダ氏は「ロスカボスが海洋観光と環境保全を両立するモデルであることを世界に示すものだ」と語り、持続可能なリゾートとしての立場を明確にした。
ホテル客室1.9万室
ユニークなウェルネス高級リゾートも登場
一方、ロスカボスの客室数は現在約1万9000室。今後もパークハイアット、セントレジス、アマン、ラッフルズなど、日本でも知名度の高い高級リゾートが続々オープンを予定する。 なかでも「シロ(SIRO)」はワン&オンリー系の新ブランドで、「リゾートらしい雰囲気とウェルネス特化型の体験を提供する」(エスポンダ氏)というユニークなリゾート。「宿泊前にDNA検査を行い、ゲストそれぞれの体調や体質に応じた食事や運動を指導する徹底ぶりで、いかに健康で意味のある人生を送るかというテーマを体現する施設となるだろう」と期待を見せた。
※写真=左からロスカボス観光局日本地区マネージャー志田朝美氏、局長ロドリゴ・エスポンダ氏
https://jwing.net/t-daily/pict2025/2510/1027loscabos-w.jpg
