2019.04.03

WING

戦闘空中給油機KC-46A、2021年初頭に初号機が空自に

米空軍と64機種に給油向け実証中、F-35Aと実証完了

 ボーイングは、数々の空中給油機を生み出してきた。ボーイングが開発・製造した空中給油機は実に2000機以上に達しており、日本を含め、世界各地でミッションに従事している。そうしたなか航空自衛隊は、新たな空中給油機「KC‐46Aペガサス」を導入することを決めた。日本を取り巻く安全保障環境が複雑かつ騒がしい様相を呈しているなか、「KC‐46A」という新たな翼を手に入れることで、航空自衛隊はミッションの幅を更に拡げることが可能となり、日本の安全保障環境の維持に貢献する。
 本紙らの取材に応じたボーイング防衛・宇宙・安全保障部門KC‐46A担当バイス・プレジデント兼デピュティ・プログラム・マネージャーのジェイミー・バーガス氏は、今年初めから米空軍への機体引き渡し作業をスタートしていることに言及しつつ、「機体として必要な試験は全て終了している」とし、「これまでに約3800回、約400万ガロンの燃料を空中給油してきた」ことを明らかにした。
 バーガス氏はKC-46Aについて、「戦闘空中給油機として設計・製造している機体」であることを強調しつつ、単なる旅客機改造型ではない、マルチロールな戦闘空中給油機であることに触れ、防衛省・自衛隊など、安全保障・防衛に関連する多様なミッションに対応することが可能な能力を保持していることに言及した。
 バーガス氏は「米空軍としては、パートナーシップ国の機体も含めて給油することができるように、約64機種へと給油することができるようにする計画」にあるとしており、最近ではF-35Aに対する空中給油にも成功。F-35A空中給油に関する認証取得プロセスを進めているほか、継続して多様な機体における空中給油を実施して、実証を進めていくとしている。
 ちなみに航空自衛隊は現在のところ2機のKC‐46Aを発注中で、「(防衛省に対する)初号機の引き渡しは、2021年初頭を目標にしている」(バーガス氏)という。米国外でKC‐46Aを導入するのは日本の航空自衛隊が初めて。
 ボーイングは2017年12月22日、対外軍事有償援助プログラム(FMS)の一環として、防衛省からKC-46Aおよびロジスティック支援を2億7900万ドルで契約したことを発表。昨年追加発注して、現在計2機のKC-46Aを発注中だ。
 航空自衛隊では日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを踏まえ、とりわけ南西空域の防御態勢を強化することのほか、様々な事態に対応するための抑止力および対処能力の向上を図るべく、航空・海上優勢の観点から新たな空中給油機の導入を決めた。中期防衛力整備計画には、計4機のKC-46Aを導入することが盛り込まれており、1機あたりの調達単価は約249億円。美保基地に配備して、空中給油・輸送部隊1個飛行隊を新編することになる。
 

 

民間機と同一ラインで生産も明確に区別
約40機が生産ラインに、日本企業も生産に参画
 

 

生産ラインのFOD問題も解決へ

 

■マルチロールな空中給油機の能力真髄に迫る!

 

2種類の空中給油方式を搭載した初の機体
その給油方法とは?

 

 

脅威環境下運用を可能にする様々なシステム
装甲板強化やLAIRCM、電磁パルス防御など装備

 

外部灯火は全て消灯可能、隠密飛行にも成功
受油機パイロットがNGV装着状態で給油可能に

 

前脚下から操縦室に、10分で緊急発進
駐機状態でも他機に給油可能

 

※写真=エバレット工場にあるKC-46Aの艤装ライン

※写真=フレイターと同じ最終組立ラインで組み上げた機体は、この艤装ラインに移送して最後の仕上げを行う

※写真=KC-46Aタンカーは2021年初頭にも航空自衛隊が受領して、その運用を開始する。写真はF-35Aへの空中給油実証に成功した際のもの(提供:ボーイング)