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2023.02.06

ヨーロッパ旅行再始動、「ランドクルーズ」発売

業界の常識覆す「毎日が出発日」のコースも

 

 

 JTBグループのヨーロッパムンドバケーションズ(以下EMV)社はヨーロッパの周遊旅行に最適な現地発着バスツアー「ランドクルーズ」(2023年4月〜2024年3月出発)の新商品を発売した。ツアーグランプリ2021で国土交通大臣賞を受賞した同商品は、4月よりJTBグループでシートインコーチ事業を行うEMV社に運営を移行し、ルートが飛躍的に拡大した。さらに、全コースが「1名出発保証」、好みの区間を「最短1日」から購入可能な自由度に加えて、「毎日が出発日」となる新コースも誕生するなど、内容をさらにパワーアップさせた。JTB欧州グループ本社の鈴木浩之介執行役員事業開発統括と石田賢太企画担当マネージャーに「ランドクルーズ」の2023年度新商品の特長や、ヨーロッパのマーケット動向などについて聞いた。

 

※写真=ピカソの生誕地、マラガの旧市街(画像提供:ヨーロッパムンドバケーションズ)

 

※写真=「ランドクルーズ」のバスが欧州域内を走る(画像提供:ヨーロッパムンドバケーションズ)

 

 

 欧州の旅行市場「完全回復」
 FIT、グループともに回復

 

 

 「ヨーロッパの旅行需要は、コロナ前の水準に回復してきている。北米や中東を中心に需要の引き合いは強く、プチバブルのような状態にある」。ヨーロッパマーケットの動向について鈴木氏はこう話す。
 ヨーロッパはアフターコロナの日常を取り戻している。例えばスペインでは公共交通機関でのマスク着用義務などは残っているが、「屋外でマスクをしている人はほぼいない」。レストラン入り口などの消毒液もほぼ撤去された。
 以前はヨーロッパでもコロナ禍の感染防止対策として、観光地やレストランでグループ予約が制限されたり、FITのみ予約を受け付けるケースもあったが、既にグループでの予約が可能となっており、FIT、グループともに需要は回復している。
 商品企画を担当する石田氏は、「コロナ禍を経て、グループの小型化やFIT化のスピードが更に加速すると見られていたが、北米や南米、欧州域内からの旅行をみると、大型グループも動いている」として、「FIT化のスピードは予想したほどではなかったという印象だ」と話す。
 4月から「ランドクルーズ」の運営会社となるEMV社のグローバルマーケットの先行予約を見ると、「既にコロナ前を超えて、過去最高の集客状況になっている」(鈴木氏)。北米からの需要は非常に強く、南米からもほぼコロナ前に回復。JTBヨーロッパグループでの取扱いではアジアについても、日本は2〜3割の回復にとどまるが、東南アジアについては順調な回復傾向にあるという。今後はゼロコロナ政策を転換した中国市場の回復も見込まれ、仕入競争はさらに熾烈になるとみる。

 

※写真=JTB欧州グループ本社の鈴木浩之介執行役員事業開発統括

 

※写真=JTB欧州グループ本社の石田賢太企画担当マネージャー

 

 

 「ランドクルーズ」新商品
 16カ国をつなぐ全110コース

 

 

 そうした中、JTBグループではヨーロッパ周遊の現地発着バスツアー「ランドクルーズ」の4月以降の新商品を1月27日より発売開始した。ヨーロッパの主要なデスティネーションをほぼ網羅する16カ国・全110コースで運行を開始する。
 「ランドクルーズ」は、「適度に案内、適度に自由」(石田氏)なのが魅力の商品。団体旅行と個人旅行の中間の旅を希望する方にぴったりの商品で、至れり尽くせりのパッケージツアーではない分、航空便の手配、食事を含めて自由だ。
 食事については、「全朝食付き、昼食・夕食は日程に含まない」を基本とするため、参加者はその時々の気分や体調に合わせて自由に食事を楽しめる。夕食は日本語現地係員からレストランや名物料理を紹介してもらうことも可能で、より自由に気ままに旅行を楽しめる。
 バスには日本語現地係員が同乗し、観光地を案内するため、快適なバスの旅が楽しめる。各観光地では見どころを押さえた観光や自由散策を満喫。スーツケースなどはバスに預けたまま手ぶら観光を楽しめるのも実は大きなメリットだ。
 ヨーロッパの地方を個人旅行で訪れるのは公共交通機関も少なくハードルが高いが、「ランドクルーズ」なら快適なバスの旅で地方まで気軽に足を伸ばすことができる。参加者はハネムーンからシニアまで幅広く、年代を問わずオールターゲットに訴求していく。

 

※写真=スペイン屈指のビーチリゾート、マヨルカ島も多くの観光客で賑わう(画像提供:ヨーロッパムンドバケーションズ)

 

 

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