ウイングトラベル
★8月の旅行業廃業は46社、前月から5社増

開業から1年未満の廃業が3件、5年未満が21件
8月に官報で公示された旅行業の廃業件数は46社となり、前月の41社から5社増加した。4~6月の増加傾向が7月にはやや落ち着きをみせたが、再び増加に転じ、前年同月比で15社多い結果となった。廃業企業の傾向を見ると、開業後1年未満が3件あり、そのうち1社はわずか3か月で廃業に至った。また、5年未満の廃業が全体の46%(21件)を占め、コロナ禍以降、訪日インバウンド需要に期待して新規参入したものの、収益回復が進まず廃業に追い込まれるケースが少なくないことがうかがえる。一方、約50年間にわたり旅行業務を続け、コロナ禍も乗り越えてきた老舗企業も、経営不振や旅行需要の先行き不透明さ、人材不足などを理由に廃業する例がある。8月も2社の老舗が約半世紀の歴史に幕を閉じた。
旅行会社を通じた募集型企画旅行の需要減少や、アウトバウンド回復の遅れが指摘されるなか、変化する旅行会社の在り方にどう対応するかが今後の事業継続の鍵になる。多様化するニーズへの対応や持続可能な観光の推進など、変わりゆく旅行市場に柔軟に応じる姿勢が一層求められている。
※画像=8月の旅行業廃業は7月より増加、開業後5年未満の企業が目立った。(画像はイメージ)