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防衛省、宇宙・サイバー強化の方向性示す指針

宇宙利用を確実に確保、次世代通信インフラ構築へ
防衛省は7月28日、宇宙・サイバー分野において今後の機能強化の方向性となる「宇宙領域防衛指針」ならびに「防衛省次世代情報通信戦略」の策定を発表した。宇宙領域の指針では、宇宙防衛能力を早急に強化することで、陸・海・空の能力を増幅させるとともに、いかなる状況でも宇宙空間の利用を確保することを目指す。そのためには、さらなる能力向上と運用協力の両面で、同盟国・同志国と相互に補完し合う体制を構築していく。サイバー領域では、次世代の通信インフラの基盤となる新たな防衛情報通信基盤(仮称)の構築を目指す。2029年度の構築を目指して、基盤的なプラットフォームの構築を推進する。将来的には、防衛省クラウドとの連結も視野に入れて、ハイブリッド・クラウドへの移行を進めていく考えだ。
宇宙領域とサイバー領域は、現代社会の経済・社会活動の重要な基盤であり、国民の命や平和にとって不可欠となっている。各国では、両領域の能力強化に力を入れて取り組んでいるところ。宇宙領域では、一部国家が他国衛星を妨害・無力化する技術開発を進めており、宇宙の戦闘領域が拡大している。一方のサイバー領域では、技術が日進月歩で進展しており、防衛力の抜本的強化を実現するためには、常に先端の情報通信技術を取り込む必要がある。そこで、宇宙領域の指針と、サイバー領域の戦略によって能力強化の方向性を示すことで、関連施策の一貫性を確保し、部内横断的な検討を促進することとしている。