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計画から11年、佐賀駐屯地が開設、V-22配備

8月中に全機移駐、地元と共に“安全”大前提
防衛省・自衛隊が佐賀空港の隣接地で整備を進めてきた陸上自衛隊佐賀駐屯地は7月9日、V-22オスプレイの到着とともに開設された。今後、輸送航空隊の航空機を常駐させて、南西地域への即応態勢を強化する。ほかの回転翼機よりも速度に優れたV-22を使って、約60キロ離れた長崎県相浦駐屯地の水陸機動団と連携し、直ちに島嶼部へ展開できるようにすることが狙い。8月中旬までに、全17機のV-22を木更津駐屯地から順次移駐させる計画だ。
V-22が佐賀空港へ常駐する計画は、実現まで約11年の歳月を経てようやく実現に至った。防衛省の計画では14年7月、導入するV-22の配備先として佐賀空港を選定したが、地元住民による安全面の不安や漁業への影響の懸念などで交渉が難航。18年8月には県が受入れを認めたものの、土地を保有していた有明海漁協理事会との用地交渉が進まなかった。その中で20年3月には輸送航空隊を木更津駐屯地へ新編し、同年7月から受領するV-22を同駐屯地へ暫定配備することとした。用地交渉は23年5月、漁協が土地の売却を決定したため、取得後すぐに駐屯地整備に着手し、このたび航空機発着のための設備が整い、佐賀駐屯地が開設となった。
※写真1=佐賀駐屯地へ配備するV-22。最初の1機が到着した