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2025.06.16

WING

空港近傍、eVTOL動態情報共有は如何に?

 ENRIが低高度胴体情報共有にTIS-B利用提案

 

 eVTOL、いわゆる空飛ぶクルマの社会実装が進んでいけば、いずれ空港の二次交通として活用されるようになっていく世界が描かれている。定期便やビジネスジェットで空港に降り立った旅客が、陸路の交通渋滞を避けたり、あるいは陸路では多大な時間を要するけれど、空路を活用することでわずかな時間でアクセスすることができる場所、あるいはハブとなる場所への二次交通として利用される―――。定期旅客便など、既存の航空機が多数運航する空港に、そうした先進エアモビリティ(AAM)が運航されるようになれば、安全運航の観点から、自ずと新たな課題が見えてくる。
 空飛ぶクルマは低高度経済圏、つまり旅客機と比べて低い高度(1000ft程度)を飛行する。概ねヘリコプターと同程度の空域を飛行することになっていくだろう。ヘリコプターの場合、その運航方式はVFR(有視界飛行)方式によって行われてきた。つまりIFR(計器飛行)方式の機体に比べ、交通管理やCNS(通信・航法・監視)はそれほど整備されていないことが実情だ。しかしながら、空飛ぶクルマが社会実装され、その運航機数が拡大していけば、低高度空域における交通管理およびCNSなど、空飛ぶクルマの運用環境を整備していくことが不可欠となる。
 そうしたなか電子航法研究所(ENRI)交通管理領域の研究チームは、空港近傍におけるアーバンエアモビリティ(UAM)の運用環境の検討を進めた。このなかで研究チームは、低高度の動態情報共有システムとして、TIS-B(Traffic Information Service?Broadcast)の利用を提案した。TIS-Bは二次レーダーやマルチラテレーションシステムなどの地上監視システムで取得した動態情報を、1090 MHz信号で放送するシステムだ。

 

※画像=社会実装されれば空港の二次交通として利用される可能性は大きい(提供:SkyDrive)

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