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統幕長、日豪印の新枠組みでアジアへ協力拡大
米国か中国か選択ない協力、高まる日本の存在感
吉田圭秀統合幕僚長は6月5日の定例会見で、シンガポールのシャングリラ会合で豪州のジョンストン国防軍司令官およびインドのチョーハン国防参謀長との3ヵ国で懇談したことを発表した。この新たな枠組みの協力は今後、アジアにも広げていきたい考えで、米国を除くインド太平洋地域を代表する3ヵ国が主導してアジア各国との連携強化を図っていくとした。
今回のシャングリラ会合では、インド太平洋地域だけでなく、欧州や南米など幅広い地域から参謀総長級が集まり、意見交換を行った。豪州、インド、モンゴル、フィリピン、シンガポール、米国、オランダといった2国間のみならず、多国間でも日米豪比、日豪印と、積極的に交流を展開した。特に日豪印の3ヵ国では、米国が入らない新たな枠組みとして、それぞれの地域を横断的に連携していくこととした。さらにこの協力関係をアジアにも広げて、自由で開かれた国際秩序の維持に寄与していく。
吉田統幕長は、米国が入らない新たな枠組みによる協力を拡大していくことについて、「東南アジアの多くは中国か、米国かのどちらかを選択することを良しとしない。米国抜きの方が関係が深まる余地が生まれるのではないか」と述べて、視野に入れる東南アジアの情勢を踏まえたものだと説明した。