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2025.05.09

WING

IHI、受注・売上収益・利益で過去最高更新

 相互関税影響など25年度に200億円のバッファ

 

 IHIが5月8日に発表した2025年3月期連結決算によれば、売上収益は前年度比23%増加した1兆6268億3100万円を記録した。営業利益も前年度の701億円の赤字から1435億1700万円に黒字に。税引き前利益は1172億9500万円(23年度:722億8000万円の損失)、当期利益1172億9500万円(同:682億1400万円の損失)を計上。民間エンジン事業、防衛事業の成長が追い風となり、売上収益、営業利益、当期利益のいずれも過去最高を更新した。なお、受注高も前年度比3742億円拡大した1兆7511億円となり、過去最高を更新した。
 同日、決算会見に臨んだIHIは、2025年度の業績見通しにおいて、米国のトランプ政権の関税政策に伴う相互関税影響と事業構造改革費用を勘案し、約200億円のリスクバッファを織り込んだ。200億円のバッファの内訳については言及を避けたが、相互関税の影響を受けると見込む事業としては、民間向け航空エンジン事業と車両過給機事業を挙げた。民間向け航空エンジン事業の関税リスクとしては、米国事業パートナーがエンジン部品を他国から輸入する際に直接影響を受けることが見込まれるほか、先行きの見通しは不透明ながら、リセッション(景気後退)や市場そのものが縮小するリスクがあることにも触れた。

 

※写真=IHIは相互関税や構造改革費用として200億円のリスクバッファを25年度見通しに織り込んだ。写真はPW1100G-JM(提供:エアバス)

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