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2024.05.07

WING

JAL決算、インバウンド取込みEBIT1452億円

 3月よりも52億円上回る、国際旅客1.5倍に

 日本航空(JAL)は5月2日、2024年3月期連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。売上高は前期比20.1%増の1兆6518億円で、営業費用が14.7%増の1兆5422億円になり、税引前利益(EBIT)が124.9%増の1452億円、純利益が177.5%増の955億円となった。国際線・国内線ともコロナ禍後の回復需要を確実に取り込み、大幅な増収増益。EBITでは今年3月のローリングプラン時点の予想よりも52億円上回る結果となった。配当については、期末配当案を今年3月時点よりも1株当たり40円から45円へ、年間配当案を70円から75円へ増配した。
 当日会見した斎藤祐二副社長によると国際旅客は「引き続き好調なインバウンド需要を取り込み、旅客数が前年度比約1.5倍、単価も想定通りの高い水準を維持した」として、国際線旅客収入が約49%増の6223億円になったと説明。単価の高水準は今年度4月以降も続く見込みとした。国内線旅客は様々な需要喚起策などを行ったことで「旅客数が前年比約1.2倍となり、単価も想定を超えて高い水準を維持」したため、国内線旅客収入が約22%増の5508億円となった。
 費用面では、燃油費が10.3%増の3567億円になり、燃油費以外が16.1%増の1兆1854億円となった。燃油費は、燃油指標価格自体は比較的安定して推移したものの、復便の影響で前年よりも増加した。また旅客の回復や運航規模に連動した費用の増加などもあって、営業費用としては前期よりも増加した。その中でコロナ渦中に行っていた「徹底したコントロールに継続して取り組み、生産規模の増加以下に営業費用を抑えた」と説明した。

※この記事の概要
次期EBIT1700億円、最終1000億円見込み
 旅客正常化で「まずはスタートライン」
インバウンド中心に好調な国際旅客
 国内旅客も想定上回る単価に
手元資金十分、格付け上の自己資本比率41% など