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2024.04.16

WING

経産省、23年度補正で宇宙戦略基金3テーマ推進

 市場獲得が早期に見込まれ自立性確保に直結分野重点

 

 経済産業省は4月15日、宇宙戦略基金について、令和5年度(2023年度)補正予算およそ1260億円を活用し、特に緊要性が高いと考えられるテーマとして、「衛星コンステレーションビジネスの加速」、「民間ロケット輸送能力強化」、「衛星データ利用ビジネスの促進」という3つのテーマを掲げる方針を明らかにした。
 政府は昨年6月に閣議決定した第5次宇宙基本計画において、宇宙機器と宇宙ソリューションの市場を合わせ2020 年に4兆円の市場規模を、2030年代の早期に2倍の8兆円に拡大する目標を掲げた。さらに、安全保障上及び経済安全保障上、宇宙システムがその役割を増していることを踏まえ、必要な宇宙活動を自前で行うことができる能力を保持するためには、重要技術の国産化等の取組も必要となるとし、経済産業省は日本の宇宙産業の成長促進及び宇宙活動の自立性の確保に繋がるよう、国際市場で勝ち残る意思と技術、事業モデルを有する企業を重点的に育成・支援し、宇宙産業の振興を図るべく、宇宙戦略基金を創設して、産業界を支援していくことにした。
 この宇宙戦略金で取り組むべき緊要性の高いテーマについて経済産業省は、日本の民間企業による国内外の成長市場の獲得が早期に見込まれ、かつ宇宙活動の自立性の確保に直結する衛星および宇宙輸送分野に重点を置いて取り組む方針だ。
 そうしたなか令和5年度補正予算では、前述した3つのテーマに基金を充当することを決定。「衛星コンステレーションビジネスの加速」では、「商業衛星コンステレーション構築加速化」と「衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証」を支援する方針を固めた。

 

 光通信や地球観測のコンステレーション構築加速
 事業期間内に日本含む地域に複数配備

 

 このうち「商業衛星コンステレーション構築加速化」に対する支援規模は約950億円に達する見通しだ。

 

※画像=宇宙開発基金で衛星コンステレーションビジネスなどを加速。補正予算分の3つのテーマを決めた(出典:JAXA)

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