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2024.04.15

WING

新しい成田構想、貨物施設一体化で効率化へ

貨物作業ほぼ自動化可能、アクセス関係者と改善へ

 「新しい成田空港」構想検討会は4月12日に第7回会合を開き、3本目滑走路の供用開始時に必要な各施設のあり方など検討を進めた。このときのテーマは、貨物および交通アクセスについて。新貨物地区では、フォワーダーエリアと上屋エリアを一体運用して効率性を追求し、国際航空物流にかかる作業のほとんどを自動化する。鉄道アクセスではターミナル再編に伴う新駅整備、単線部分の複線化、都心方向への輸送力向上などを国や鉄道事業者などと検討を進め、道路でも関係者とともに周辺道路の混雑緩和を含む再編の検討を進めることとした。
 同検討会の山内弘隆委員長は会議後の会見で、今回議題となった貨物の対応は日本の経済が回復していく中では特に重要で、活発な意見交換が行われたと説明した。自動化の技術を活用して積み替えなどをスムーズに行う案が示され、輸出や第三国輸送となるトランジットの取込みに期待したいとした。またアクセスでは、コロナ禍からの回復過程の現在でも混雑が発生しているところで、鉄道会社をはじめとした各輸送事業者とともに検討を進める必要があるとした。
 成田国際空港会社の田村明比古社長は今後貨物施設を自動化するに当たり、どのようなスキームで行っていくかが重要だとした。上屋とともにシステムの整備を進めていくため、費用の負担割合や施設のあり方の詳細などを詰めていく必要があるという。また2月の空港運用実績を見ると、旅客数が初めてコロナ禍前の9割まで回復したが、すでにピーク時になると鉄道ホームに人があふれ返っている状況であり、早急にアクセス事業者と改善に向けた検討を進める必要があることを示した。

※この記事の概要
・新貨物地区にJR施設
 上屋とフォワーダー一体で自動化