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2024.01.03

WING

能登半島地震、能登空港の被災状況は?

 滑走路に亀裂4~5か所、ターミナルと航空局庁舎に被害

 石川県能登地方を震源とした最大震度7の能登半島地震の発生したことについて国土交通省は能登空港の被害状況について、1月3日午前5時現在、依然として滑走路は閉鎖中であるものの、1月2日から自衛隊ヘリなどの離発着の受け入れを開始したことを明らかにした。なお、今回の地震による死者は1月3日午前8時現在、石川県内で計57名に達した。
 能登半島沖では今回の大地震発生前から群発地震が起きていたが、1月1日の16時06分に石川県能登地方を震源として震度5強、マグニチュード5.5の地震が発生。その4分後、16時10分に最大震度7、マグニチュード7.6(暫定値)の巨大地震が発生した。震源の深さは16km(暫定値)とされている。
 最大震度7を記録したのは、石川県志賀町。震度6強は七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町、震度6弱は中能登町、能登町となった。1月1日16時06分の震度5強の地震発生以降、1月3日午前4時現在、震度1以上の地震を観測した地震は実に455回にも達した。
 珠洲市と能登町においては、石川県防災ヘリが撮影した画像を解析したところ、約100ヘクタールの津波浸水が確認されたとのこと。家屋被害および浸水深は確認中だ。
 そうしたなか被災した能登空港の最大震度は6強を観測したとのこと。能登空港内の各施設・設備を点検したところ、滑走路上には深さ10センチ、約10メートル以上におよぶ亀裂が4~5か所発見されたという。国土交通省は1月4日までを対象にしたノータム(航空情報)を発出済みだ。
 ターミナルビルと航空局庁舎にも被害が発生した。ターミナルビル内は一部でガラスが飛散していることが確認され、依然として停電しているほか、飲料水の断水も続いている。一方、予備発電機が復旧したことにより、空調およびトイレ、固定電話といった施設・設備は1月2日から使用することができるようになった。
 また、ターミナルビル外の主として駐車場に避難していた空港利用者・地域住民など500 名程度のほか、空港従業員約50名はビル内へ誘導されており、毛布など支給したという。
 その他、近隣の小松空港(震度5強)、新潟空港(震度5弱)、福井空港(震度5弱)、富山空港(震度5強)、松本空港(震度4)、庄内空港(震度4)の各空港に関しては、被害は確認されなかった。
 全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の両社は、1月2日に羽田-小松(2往復:ANA、JAL)、福岡-小松(1往復:JAL)、新潟―伊丹(1往復:JAL)の臨時便を運航。さらに、ANAは羽田-庄内(2往復)と羽田-小松(1往復)の2路線の機材を大型化した。
 なお、鉄道に関しては1月3日午前8時現在、新幹線は運航をすべて再開したものの、JR東日本の越後線、JR西日本の高山線、氷見線、七尾線、大糸線が運転見合わせ。あいの風とやま鉄道(あいの風とやま鉄道線)、IRいしかわ鉄道(IRいしかわ鉄道線)、富山地方鉄道(立山線)、北陸鉄道(浅野川線)、のと鉄道(七尾線)の各線も運転を見合わせている。