記事検索はこちらで→
2021.04.01

WING

装備庁が行う「救急車の応急装甲化の実証」とは?

21年度から22年度にかけ試験用装甲を設計・製造

 戦闘行動を行う上で、負傷者の発生はどうしても避けられないものだ。特に、兵士一人一人の人命を重視する現代では、前線での応急救護能力だけでなく、患者を前線から医療体制の整った後方の医療拠点まで迅速に後送させることが重要になっている。こうした観点から、米国や欧州などの主要国では装甲車を野戦救急車仕様にして用いており、装甲車メーカーも装甲車の派生型として野戦救急車型をほぼ必ずラインナップしている。
 一方、陸上自衛隊では長らく1トン半救急車などの非装甲車両を野戦救急車として用いており、自衛隊においても野戦救護における装甲救急車の必要性が指摘されてきたところだ。
 こうした状況の中、防衛装備庁は2021(令和3)年度予算に「救急車の応急装甲化の実証」事業として3億円を計上した。WINGはこの「救急車の応急装甲化の実証」事業について防衛装備庁に質問を行った。

 

装甲化救急車の実現手段の一つとして実施
既存合成樹脂やセラミックスで試作品を複数開発

 

※写真=六角形のプレートを1トン半救急車に張り付けたイメージ図。防衛装備庁は2021年度予算案に「救急車の応急装甲化の実証」事業として3億円を計上しており、2021年度から2022年度にかけて設計および製造を行い、2022年度に試験を予定している(提供:防衛装備庁)

※写真=兵士一人一人の人命を重視する現代では、前線での応急救護能力だけでなく、患者を前線から医療体制の整った後方の医療拠点まで迅速に後送させることが重要になっている(写真は訓練展示時のもの)

※写真=陸上自衛隊の1トン半救急車。装甲化がどの様なかたちで結実するのか、今後の動向に注目したい