記事検索はこちらで→
2018.08.02

ウイングトラベル

MICE訪日外客消費、2030年に8000億円目標

観光庁、強化委が提言、関係府省は行動計画

 観光庁は、MICE関連の訪日外国人消費相当額目標について、2016年実績の約1500億円から、2020年には倍増の3000億円、2030年には約5.3倍の8000億円へと大幅に引き上げたい考えだ。「MICE国際競争力強化委員会」(座長=西村幸夫神戸芸術工科大学教授)が7月30日に提言をまとめ、官民挙げて目指すべきMICE全体の目標額が初めて提示された。また、MICE関係府省連絡会議は「関係府省MICE支援アクションプラン2018」を策定し、政府一体となり総力を挙げて取り組む施策をまとめた。
 観光庁や関係府省は、これら提言やアクションプランのとりまとめを受けて、今夏の来年度概算要求で必要な予算措置等を要求していく方向だ。
 従来は、国際会議の開催件数のみを目標に掲げていたが、MICE全体でめざすべき姿を明らかにするため、提言で具体的な数値目標が示された。また、MICEが日本経済にどのように貢献しているかを数値で端的に示す目標として、訪日外国人消費相当額が用いられた。
 訪日外国人消費相当額とは、MICEの外国人参加者が直接支出する消費額(宿泊費、飲食費等)に、会場関係費、開催に伴う人件費等を外国人・日本人の参加者数で按分した上で外国人参加者に係る額をプラスした額を指す。
 一般の観光客に比べてMICE参加者は消費単価が高く、2016年時点で平均約25万円と、一般観光客より約10万円ほど高い。また、2016年時点でのMICE参加外国人数は約57万人だった。今後は平均単価、参加人数ともに伸ばしていくことで、2020年の3000億円、2030年の8000億円達成をめざす。当然、MICEの開催件数自体を伸ばしていくことは不可欠となる。
 なお、目標設定にあたっては、UNWTO(国連世界観光機関)によるアジア太平洋地域へのビジネス・研究者の訪問者数予測が2020年に6100万人、2030年に8800万人となっていることを踏まえて目標を設定した。