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2020.08.27

WING

日本空港ビル横田社長、抜本的なターミナル運営見直し

満足度の高い経営継続へ、新時代への舵切りに意欲

 日本空港ビルデングの横田信秋社長はWINGのインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染症の影響で、同社の経営環境が「かつてないほど落ち込んだ状況」だと説明した。その上で、社会全体が感染症ありきの“ニューノーマル”へ移行しつつある環境を踏まえ、ビルグループとして「空港ターミナル事業の運営方法を、従来の枠組みにとらわれない発想で抜本的に見直していく必要がある」と強調し、新たな時代へ向けた経営へ舵を切る意欲を示した。
 2020年度は同社にとって、現中期経営計画の最終年度となる。計画では、羽田空港国際線の発着枠が1日50便拡大し、7・8月には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、多くの訪日旅行者を歓迎しているはずだった。同社では羽田空港の発着枠拡大に対応するため、第2ターミナルの一部を国際線対応へ改修するなど、準備を進めてきたところ。しかし、年頭から猛威を増した感染症によって、状況は一変した。東京2020大会が1年延期となって、急速に航空需要が冷え込むこととなった。
 羽田空港で感染症の影響が顕著になったのは、増枠を控えた3月末ごろから。4月からは、国際線旅客数が前年比99%減とゼロベースに近いほど減少し、国内線旅客も約90%減少した。直近7月の国内線では、わずかに持ち直すも鈍く、施設利用料収入、商品売上、飲食売上が大幅に減少した。2020年度第1四半期(4~6月)の決算では、大幅な売上減に加え、国際線増便の施設整備に関連する減価償却費の増加が大きく影響し、休業要請による航空会社やテナントへの家賃減免の実施などによって「174億円というかつてない営業損失になった」という。・・・

 

家賃減免措置を段階的に継続
業務内製化へコスト構造改革

 

外気取り入れ換気効率アップ
安心できるターミナル環境へ

 

非対面・非接触の取り組み推進
ロボットの導入でサービス拡充

 

新たに暑さ対策の取り組み開始

 

空港施設の整備強化「ビルグループの使命」

 

※写真1=日本空港ビルデングの横田信秋社長

※写真2=新型コロナウイルスが猛威を振るい、国際線旅客はゼロベース近くまで落ち込んだ

※写真3=ターミナル内にマスクの自販機を設置して、店舗が開店していない深夜・早朝にも需要に対応する

※写真4=ラディクールジャパンと営業代理店契約を結び、放射冷却技術を発信する