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荒井陸幕長、各駐屯地行事などが観閲式代替に

部隊の負担減らして隙のない防衛体制を確立
荒井正芳陸幕長は10月16日の会見で、3自衛隊が持ち回りで行ってきた観閲式・観艦式について、今後実施しなくても各駐屯地で例年行う創立記念行事や、募集活動の一環で行う装備品展示などによって「本来の目的を十分達成できる」と説明した。安全保障環境の変化を鑑みて、防衛省・自衛隊では部隊の負担が大きい観閲式・観艦式を中止する方針を示したが、今後陸自としては各駐屯地などで行う比較的小規模な装備の展示や交流によって、自衛隊活動の周知および隊員の士気向上などの目的が達成できるとした。
観閲式・観艦式は、全国の部隊や装備を結集し、一般に公開することで、自衛隊の活動について国民の理解を得てきたほか、所属隊員の士気高揚にも寄与する側面もあった。しかし、近年では中国やロシアによる活動が活発化するなど、加速度的に安保環境が変化しており、部隊や装備を集中させる同行事が防衛網の穴になりかねないため、今後大きく情勢が変化しない限り注視すると判断した。