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2025.10.14

WING

エアロトヨタ、eVTOL活用はまずはトヨタ社内便で

 まずはトヨタ拠点から運航、オンデマンド旅客輸送視野

 今年7月、「エアロトヨタ」が誕生した。旧・朝日航洋が70周年を迎えたことを機に、社名を一新。同社の親会社であり、世界に冠たる「トヨタ」ブランドを前面に押し出したかたちだ。そのエアロトヨタは、ドクターヘリや消防防災ヘリコプターの運航のほか、大型物資輸送・旅客輸送・遊覧飛行、報道などといった航空事業のほか、空から取得した高精度な空間データをさまざまな業界に提供する空間情報事業などを展開している。エアロトヨタは百周年、そしてその先へ向けて、新たな挑戦へと踏み出しつつある。なかでも注目材料の一つは、eVTOL、いわゆる空飛ぶクルマの活用ではなかろうか。
 エアロトヨタの親会社であるトヨタは、米国のeVTOLメーカーであるジョビー・アビエーションに巨額の出資をしているほか、機体の量産面でもトヨタの生産技術知見を提供するなど、ジョビー・アビエーションをバックアップしている。ジョビー・アビエーションが開発中のeVTOL「S4」が、米連邦航空局(FAA)および日本の航空局(JCAB)から型式証明を取得すれば、エアロトヨタもジョビー・アビエーションの機体を使用して日本の空を舞うことを計画している。
 本紙の取材に応じたエアロトヨタの加藤浩士社長は「現在、いつ導入することができるのか、ジョビー・アビエーションとも協議している最中」と前置きしつつ、ジョビー・アビエーションとしても、米本国やドバイなどでの社会実装に集中することが見込まれているとの見解を示した。その上で、最初のユースケースとしては「まずはトヨタ便として、トヨタの拠点や工場間を繋ぐシャトル便として活用することになるだろう」との見通しを示し、「そのため、最初に運航することになるのは、トヨタ拠点地域になるだろう」と話し、エアロトヨタとしては、トヨタ拠点地域からの運航スタートとなることを明かした。

※画像=創立70周年を機に社名がエアロトヨタに。取材に応じたエアロトヨタの加藤浩士社長