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2025.11.10

WING

トヨタ紡織、車いす一体型航空機シート開発

  多くの車いすユーザーが望む、移乗の身体的・心理的負担減少

 自動車用シートや航空機シートなどを開発・製造しているトヨタ紡織が、航空機シートと機内用車イスが一体となった新シート「 ウェルボヤージュ・シート」の開発を進めている。この新シートの試作品を、東京ビッグサイトで去る10月30日から11月9日まで開催した「Japan Mobility Show2025」で公開した。
 航空会社や空港会社は、車いすユーザーが航空機を利用しやすいよう、バリアフリー対応を深化している。それでも、どうしても残ってしまっている最後の壁が、航空機への搭乗降機、機内での過ごし方ではなかろうか。現状、車いすユーザーが航空機を利用する場合、自分の車いすから機内の通路幅に対応した機内用車いすに乗り換えなければならない。搭乗しても、機内用車いすからシートに移乗しなければならず、フライト中、例えばラバトリーを利用する際にも機内用車いすとシート間の移乗を余儀なくされる。つまり、航空機利用の複数ポイントで、車いすユーザーは身体的・心理的負担がかかることを余儀なくされているのだ。
 そうしたなかトヨタ紡織が生み出した「ウェルボヤージュ・シート」は、航空機シートと機内用車いすが一体型である、新しいコンセプトのシートだ。車いすユーザーが搭乗しなくても、普段から利用できる航空機シートとしてシートレールに固定。車いすユーザーが搭乗する際には、簡単にシートレールから取り外し、搭乗口などで車いすユーザーを迎えて普段使用している車いすから移乗してもらい、機内へと移動。そのままシートレールに簡単に固定できるようにすることで、車いすユーザーの移乗の負担回数を軽減する。

※画像=トヨタ紡織がJAXAと開発に取り組んでいる「ウェルボヤージュ・シート」