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2025.10.23

WING

小泉防衛相、新しい防衛のかたち具体化へ

 戦略3文書の改定へ、潜水艦に原子力排除せず

 

 小泉進次郎防衛大臣は10月22日の就任会見で、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対処するためだとして、既存の取組みの見直しと新機軸の導入を打ち出した。主に、戦略3文書の改定着手、VLS搭載潜水艦における“次世代動力”を含む選択肢を排除しない検討、防衛装備移転三原則運用指針の「5類型」撤廃を視野に入れた制度見直し、自衛隊の人的基盤の再構築、環境・農水行政の所管経験を生かした地域課題(鳥獣被害など)への省庁横断連携などを示した。特にスピード感を重視する姿勢を示し、特に装備移転の検討では「早すぎるとの批判は当たらない」と述べるなど、前のめりに実行していく姿勢を強調した。
 小泉大臣は、22年策定の国家安全保障戦略等「戦略3文書」の見直しについて、当時よりも周辺国の軍備増強と、力による現状変更の試みが進み、経済・技術領域まで安保課題が拡張したことを示した。その上で「金額や対GDP比ありきではなく、中身の積上げで防衛力強化を推進する」として、改定のプロセスを開始するとした。ロシア・ウクライナ戦争で顕在化した無人・長期持久戦の様相を織り込み、スタンド・オフ、無人化、領域横断作戦を骨格とした、環境適応型の防衛力整備へアップデートを狙う。

 

※写真=就任会見に臨む小泉大臣

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