2019.01.11

ウイングトラベル

小池都知事、観光の前線にいた経験を五輪に活かす

エジプトでガイド通訳、ニーズ掴み伝える工夫も

 トラベル懇話会の新春講演会では、小池百合子東京都知事が「東京オリンピックに向けた東京都の取り組み」をテーマに講演したが、都知事自身、エジプトのカイロ大学在学時にツアーガイドの翻訳や、航空会社のカイロ支店でのアルバイト経験があり、それらの貴重な経験談も交えつつ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、「産業面、観光客の気持ちの両面で、経験を少しでも役立てたい」と意欲を示した。
 小池都知事は、1976年にカイロ大学を卒業後、1988年からテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の初代キャスターを務めた後、1992年から参院議員1期、衆院議員8期を務め、2016年8月に東京都知事に就任した。
 カイロ大学在学時には、観光大国のエジプトで、観光に携わる経験もした。都知事は、「ツアーガイドには英語の通訳が付いており、その翻訳をした。ガイド資格はないため翻訳だったが、日本人のニーズに合った説明をどうするか工夫した」として、自らの経験を紹介。
 とくに、「カイロ、ルクソール、アスワン、アブシンベルなどを案内したが、日本からエジプトを訪れる旅行者の多くは、恐らく一生に一度のエジプト旅行。そうした方々に、どうエジプトの偉大さ、歴史、文化、文明を伝えるのか」として、旅行という短期間かつワンチャンスを活かし、その国の歴史や文化などをどう伝えるかが観光の大きな役割でありポイントだと指摘した。
 小池都知事は当時を振り返り、「カイロ市内からギザのピラミッドに続く一本道には、椰子の木が並んでいる。その何本目かの椰子の木に差しかかった時に、『左手にありますのが』と紹介を始めると、『おーっ』となる。伝えるポイントがある。程よいところで伝えると、脳裏に焼き付けられる瞬間がある」として、見せ方、伝え方の工夫次第で記憶に刻まれると指摘した。
 また、日本人観光客とヨーロッパからの観光客とでは、旅行時の行動や興味が異なる点も指摘。「ガイド関係やエジプト人と話して面白いなと思ったのは、日本人観光客は写真を撮る。なかには歴史に大変興味がある方もいるが、多くの方々は写真を撮り、思い出を写真にとどめる。一方でドイツをはじめヨーロッパからの観光客は、ナイル川のゆったりした流れはどちらが上流でどちらに流れているのかなど、写真よりも微に入り細にわたる質問があるとの話しを聞いたことを記憶している」として、興味関心など異なるニーズに対応することが必要とした。
 また、エジプトの観光地では、「小さい子供でも英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語など何カ国語も話す。そのたくましさ。そのバイタリティには学ばないといけないとつくづく思った」と回顧した。
 さらに、「一時期は航空会社のカイロ支店で予約係を担当した」として、「今は直ぐにインターネットで乗り継ぎ便の答えが出るが、大昔はABCという電話帳のような航空時刻表があり、カイロからアフリカ各地へ行く際に、こちらのルートの方が早いとか、トランジットの時間が短すぎるなどと調べた」として、まさに観光の成長期に観光の前線にいた経験を紹介した。
 小池都知事は、「今知事として東京オリンピック・パラリンピックを迎える上で、産業面、観光客の気持ちの両面で、そうした観光の前線での経験を少しでも役立てたい」と話した。

 

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※写真=小池百合子都知事