2018.12.05

WING

三菱航空機、MRJ70コンセプト・スタディ開始

既存の新技術採り入れへ技術検討加速

 三菱航空機の水谷久和社長が本紙のインタビューに応じて、「MRJ90の型式証明取得が最優先事項」との認識を示した上で、「MRJ70は、コンセプト・スタディを開始した」ことを明らかにした。
 このコンセプト・スタディとはどのような航空機にするかを検討していく段階の作業で、機体そのものの“コンセプト”を固めるもの。「MRJ90は既に10年取り組みを進めているといっても過言ではない。この10年間の技術的な進歩など、色々な意味で素晴らしいものが登場してきている。MRJ70は基本的に派生型であるが、確立した新たな技術を如何にして採り入れていくのか。コンセプト・スタディにおける非常に重要なトピックス」であることを明かし、進歩した技術を注視しながら、MRJ70のコンセプトを固めていく方針を示した。
 MRJ70の開発は、リージョナルジェットの主戦場である米国市場におけるスコープ・クローズに対応するもの。米国の航空会社とパイロット労働組合の間に設けられている労働協約で、リージョナルジェットについては座席数、最大離陸重量といった項目で制約を設けている。MRJプログラムがローンチした当初は、このスコープ・クローズ問題は早期に緩和するだろうとみられていたが、未だに緩和には至っていない。また、70席級の次世代リージョナルジェットはMRJしか存在せず、市場において優位性を持つ商品となりうる。
 そのためスコープ・クローズの制約に抵触しないMRJ70の開発が待たれる状況になっており、水谷社長もMRJ70の開発について、「北米の需要に間に合うような開発を想定しており、MRJ90の山を越えるタイミングで、リレー競争のように上手くMRJ70にバトン渡しができれば良い」と北米市場ニーズに間に合うようなスケジュール感で、その開発を進めていく方針を示した。
 その上で、「MRJ70は、MRJ90の派生機であるし、MRJ90の開発を仕上げながら、すでに確立された新しい技術をどこまで取り込むことができるのか」と、既存の確立された新たな技術をMRJ70に取り込む考えを明かした。

 

※写真=インタビューに応じた三菱航空機の水谷社長

※写真=MRJ90の型式証明取得に向けて開発作業を急ぎつつ、MRJ70のコンセプト・スタディが始まった