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2020.12.18

WING

宇宙状況監視企業ノーススター社、日本と連携向け秋波

22年度衛星打上、独自アルゴリズム開発でサービス提供

 カナダ・モントリオールを拠点に、宇宙ごみ(スペースデブリ)などを監視する宇宙状況監視(SSA)サービス展開を目指す宇宙ベンチャーのノーススターアース&スペース社(ノーススター社)の共同創業者兼最高経営責任者(CEO)を務めているスチュアート・ベイン氏が本紙の取材に応じて、「現状、我々に欠けていることは、日本のパートナー、アソシエイトだ」として、日本企業や投資家などに連携を呼び掛けた。
 すでに複数の日本企業に接触したとのことで、引き続き、日本企業との連携を深掘りしていきたい考え。
 ちなみにSSAの市場規模について、「現在の市場規模は年間約2億ドル」だとコメント。「これから宇宙における活動が拡大していき、年間50億ドル規模にまで拡大するだろう」との見通しを示した。
 「宇宙におけるアクティビティは増しており、我々は今あるゴミを片付けるのみならず、如何にゴミにしないか、ゴミ化する前に食い止めるかということにも貢献したい」と話し、「その意味で我々が提供する情報サービス業はもっと速いスピードで進んでいかなければならない」として、事業展開を拡大・加速させていきたい考えを示した。
 なお、ベインCEOはノーススター社創業前、航空宇宙コンサルタントとして日本で幅広く活動した。さらに、カナダ宇宙庁の衛星設計開発などにも携わり、米航空宇宙局(NASA)ラングレー研究所と協働で航空機向け先進高耐熱ポリイミド複合材システムの研究に従事した功績が認められて「R&D100アワード」を受賞。カナダ航空宇宙工業会理事、ケベック州航空協会の理事諮問委員会会長なども歴任した経歴の持ち主だ。クラシック演劇を学んだ役者という顔も持っており、カナダの「オタワ・シェイクスピア・フェスティバル」を創設した。

 

宇宙問題は喫緊のグローバル問題

 

地上観測には様々な制約が
独自アルゴリズム構築で宇宙から解決

 

地球近傍の物体をあらゆる軌道で監視
観測速度は従来システム比52倍、精度も34倍に

 

既存システム置き換えるものでなく「補完」に
データ補完でより高度な意思決定

 

宇宙と地球の環境保護が使命
価値あるデータ提供で環境守る

 

※写真=宇宙状況監視サービスを提供することを目指すノーススターアース&スペース社のスチュアート・ベインCEO

地上観測のイメージ。地上観測には様々な制約が。(提供JAXA)