2020.08.11

WING

ロールス・ロイス、TrentXWBのIPCブレードに摩耗兆候

EASAが耐空性改善命令発行へ、ロールス「原因調査中」もSBで点検要請
 
 ロールス・ロイスは8月11日(英国現地時間)、A350XWBに搭載しているTrentXWB-84の一部エンジンの中圧圧縮機(IPC)ブレードに、摩耗の兆候がみられることを発表した。同社によれば、運航期間が4〜5年を経過したエンジン部品に摩耗兆候がみられるとし、対象となった100台以上のエンジンのほとんどの点検を既に終了。点検したエンジンの約20%において、平均で1〜2枚程度のブレードに、摩耗の兆候がみられたことを明らかにした。なお、この件で欧州航空安全庁(EASA)が8月12日(現地時間)にも耐空性改善命令(AD)を発する見通しにあるという。
 ロールス・ロイスでは2016年にはボーイングの787ドリームライナー搭載エンジンであるTrent1000パッケージCにおいて、2016年8月25日に全日空(ANA)の787型機において、離陸直後に中圧タービンブレードが破断する事象が発生した。その後の調べで、表面コーティングに不具合がみつかり、中圧タービンブレード表面に大気中の化学成分に起因する硫化腐食が発生し、この腐食を起点として疲労腐食が進み、運転サイクルを重ねると、亀裂が進行してしまうというものであることが分かっている。その後、この問題は拡大し、日本の全日空(ANA)を含め、世界各地の航空会社が一時的に787型機の運航停止を余儀なくされるなど世界へと波及。ロールス・ロイスもこのTrent1000問題で大規模改修や航空会社に対する巨額の補償に追われることになった。
 このTrent1000問題に際してロールス・ロイスはTrentXWBについても2018年にIPC部分の設計について検討。その結果、Trent1000と同様の問題はないと結論付けていた。ただ、今回TrentXWBのIPCブレードで摩耗の兆候がみられたとして、その原因調査を進めていく方針だ。
 なお、ロールス・ロイスはサービスブリテン(SB)を発行し、エンジンの運転サイクルが2300サイクルに達したエンジンについて、次の50サイクル以内に翼から取り降ろすことのない点検「オン・ウィング・インスペクション」を実施するよう、航空会社に通知。点検実施後、200サイクル毎に点検することも求めた。

 予備部品・予備エンジン提供体制整う
 航空会社の運航・コストに大きな影響与えず

TrentXWBを搭載したA350XWBは、その運航開始から約4〜5年が経過し、同型機の運航開始当初に投入されたエンジンが、計画された初回のオーバーホールを迎えつつある。
 そうしたなか航空会社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

※写真=A350XWB商業運航開始当初から飛び続け4-5年が経過したTrentXWB-84のIPCブレードに摩耗の兆候が(提供:ロールス・ロイス)