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2019.09.12

ウイングトラベル

トルコに隈研吾設計の現代美術館が誕生

「オドゥンパザル近代美術館」オープン

 トルコのアナトリア地方エスキシェヒルに9月8日、トルコをはじめ、世界の近現代アートを展示するオドゥンパザル近代美術館(OMM)がオープンした。建築を手掛けたのは、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の設計に携わったことでも知られる隈研吾建築都市設計事務所で、日本とのつながりも注目される施設となった。
 木材を多用した総面積約4500平米、3フロアからなる美術館は、天井からの光を取り込んだアトリウムを中心に広がり、様々な展示スペースの他、イベント会場やカフェ、ショップなどが併設。作品展示の場としてだけでなく、アートをテーマにしたさまざまなプラットフォームとなることを目指している。
 創設者は、エスキシェヒル出身の実業家のエロル・タバンジャ氏。トルコで建築、不動産、観光、エネルギー関連など幅広く事業を展開するポリメックス・ホールディングスの代表取締役であり、アート・コレクターでもある。美術館には、タバンジャ氏が15年にわたって集めてきた、トルコおよび世界の有名アーティストの作品1000点以上を所蔵。

 

 オープニングセレモニーに大統領が登場
 観光大臣、日本人増に期待、今年3割増見込む

 オープン前日の9月7日正午には、オープニングセレモニーが行われた。式典では、創設者のエロル・タバンジャ氏に次いで東山敦子元トルコ大使(元国立西洋美術館長、元文部科学大臣)、宮島昭夫トルコ大使が登壇、「この美術館が日本とトルコのより強い絆の拠点のひとつとなる」(東山氏)、「日本におけるトルコ文化年の今年、日本人が特別に親近感を感じられる施設ができた」(宮島氏)、などと祝辞を送った。
 このほか、建築家隈研吾氏、竹工芸アーティスト四代田辺竹雲斎氏をはじめ、多くの日本人関係者も参列し注目された。またセレモニーのフィナーレには、企業の文化事業参入を促進しているレジエップ・タイイップ・エルドアン大統領が登壇。「トルコはこれまで民主主義と経済発展に力を入れてきたが、未来を穏やかで公正なものにするために、今後は教育、文化の促進に関しても力を入れていきたい。この美術館がそのシンボルとなると信じている」と語った。

 

※写真=(左上)オドゥンパザル近代美術館(OMM)(右上)左からOMM創設者エロル・タバンジャ氏と隈研吾氏(左下)セレモニーでスピーチを行ったエルドアン大統領(右下)美術館オープニングのテープカット。中央にエルドアン大統領と創設者エロル・タバンジャ氏、メフメット・ヌリ・エルソイ文化観光大臣(大統領右横)、東山敦子元トルコ大使(右から6人目)、宮島昭夫トルコ大使(左から2人目)と共に