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2019.09.04

WING

エアモビリティー、2021年後半に日本で空飛ぶクルマ販売

英国VRCO製の超高級モデル、日本市場で年50台目標

 エアモビリティー(東京都新宿区)が、英国のVRCO社が開発中の空飛ぶクルマ「NeoXcraft」を日本市場で販売する。エアモビリティーを設立した浅井尚社長兼CEOが「2021年後半から日本市場で販売する体制が整うだろう」との見通しにあることを明かした。その上で「日本市場では年間50台前後の販売計画を立てている」としており、日本国内の超富裕層をターゲットに2名乗りの「NeoXcraft」の日本市場展開を目指す方針だ。ちなみに、世界全体では「年間200台から300台ほど」の販売を見込んでいるという。
 VRCO社が開発中の「NeoXcraft」はハイグレードな空飛ぶクルマ。内装などは英国の高級車メーカーであるベントレーとタイアップしているほか、シスコ、IBM、ダービー大学らとタッグを組んで超高級路線の空飛ぶクルマ開発をひた走る。
 機体は2名乗りで、その価格は今後マーケティングを深化するなかで変動する可能性があるものの、現在のところ「約2億円前後」を見込む。保有資産が30億円を超える超富裕層が、その主たるターゲットだ。「今のヘリコプターで移動しているような企業の重役などもターゲットにする」という。
 「高級スポーツカーの販売をみても、世界のなかで日本は多い。ヨットやクルーザーも同様」としており、高級な空飛ぶクルマについても、日本市場は有望な市場であることに言及した。
 さらに、「国内の地方自治体からもアプローチがある」としており、例えば地方にある高級リゾートと空港などを結ぶ移動ツールとして活用することも一部で視野に入っていることを明かした。

 

年内フルスケールで飛行試験も
実は水上で離発着可能な設計に

 

 そうしたなか肝心の「NeoXcraft」の開発スケジュールについては「若干遅れ気味」とのこと。ただ、「9月中旬には4分の1サイズの飛行試験を英国で実施する」とし、「年末にはフルサイズスケールでデモ飛行を実施することにしており、来年前半には有人飛行試験を実施する計画にある」ことを明かした。
 前述したように「NeoXcraft」は2名乗りの機体開発が目下進められており、重量は約470kg。その航続距離は約200km。飛行速度は最大で時速330kmあって、飛行時間は約1時間30分。25分ほどでバッテリーの充電を完了することができるようにする。
 機体本体は全カーボン製でローターを4基備えており、各ローターにはモーターを2個ずつ搭載するなど冗長性を確保することで安全性を高めた。加えて機体内部にパラシュートを装備することで、万一の自体においても機体を安全に降ろすことができるようにした。
 機体にはコードを添付しており、そのコードをカメラで読み取れば、整備履歴情報や過去のフライト情報など、機体のライフタイムが全て記録することができるようにする方針だ。
 また、「水上から離着陸することや水面を少し航行することもできる」としており、「クルーザーのユーザーが、水上から飛び立つなど、陸・海・空で離着陸することも出来る設計にしている」ことも明かした。

 

超高級2名乗りは英ダービーで受注生産
4-6名乗りの量産型は日本で生産可能性も

 

空飛ぶクルマ離発着場などインフラ開発視野に
関連サービスの開発も検討、都内に展示場設置

 

※画像=日本市場は高級路線の空飛ぶクルマにとって有望市場。エアモビリティーは年間50台の販売を目指す(提供:VRCO)