2018.05.17

ウイングトラベル

セブ・パシフィック航空、日本支社を新設

日本発需要獲得強化へ、新千歳線の就航も検討

 セブ・パシフィック航空(CEB)はアジア太平洋地区の事業拡大戦略の一環として東京都内に日本支社を開設し、5月16日から営業を開始した。同社はこれまで日本向けセールスについてはGSA(販売総代理店)を活用して展開してきたが、フィリピン本社との連携をより緊密にして、現状2割にとどまっている日本発の需要を開拓するために、オペレーション体制の変更を行うことにした。日本支社長にはカタール航空やタイガーエア台湾で日本代表を務めてきた松本知彦氏が就任した。さらに、同社は年内に航続距離の長い新型旅客機を導入するのを機に国際線戦略を強化。日本では、新千歳線の就航を軸に検討を進めていく方針を明らかにした。
 CEBは2008年に関西−マニラ線を開設し、日本路線に参入。その後、成田、中部、福岡で路線を開設。現在は、成田ーマニラ線をダブルデイリー運航しているのを始め、成田−セブ線を週4便、関西と中部−マニラ線を毎日1便、福岡−マニラ線を週3便運航している。
 日本路線は就航以来順調に搭乗者数が拡大。特に2014年の成田−マニラ線開設以降は搭乗者の伸び率も上昇。2017年は5路線で約43万人の旅客が搭乗した。
 搭乗者数が伸びる一方で、乗客の構成比を見ると、訪日旅行や日本に在住するフィリピン人の帰省需要などでフィリピン発の需要が約8割となっており、日本発の需要が2割となっているのが現状だ。しかし、日本からフィリピンへの渡航者数は昨年が前年比9.1%増の58万4180人となるなど、今後も5〜10%の成長が見込める。さらにフィリピンからの旅客も伸びしろがあると判断。そうした双方向の需要を着実に取り込んでいくために、日本での事業体制を自社オペレーションに切り替えることにした。
 5月16日の日本支社設立記者会見に出席したCEBのアレックス・レイエス公式スポークスパーソン(貨物担当バイスプレジデント)は「われわれは日本市場を非常に重要視している。さらに事業を拡大するために、よりマーケットに近いところでマーケティングや営業を行う必要があると判断し、日本支社を立ち上げることにした」と述べ、日本市場強化に向けて体制構築を図ったことを強調した。なお、海外支社の設立は香港、韓国に続き日本が3カ所目となった。
 また、松本知彦日本支社長は「これまでもGSAの協力を得ながら成長してきたが、今回日本支社を立ち上げたことは、セブ・パシフィックが日本に向けてより長期的に事業を展開していくコミットメントである」と強調。その上で「フィリピンは自然も豊富であるなど、さまざまな魅力的な観光資源がある。しかし、日本人にとっては近くて遠いデスティネーションになっているのではないかと感じている。そうしたイメージからの転換を図るようなプロモーション活動も行っていきたい」と述べた。

 

 OTAへのセールスを強化
 日本語版ウェブサイトの改良も計画

 日本支社は松本支社長を始め当初は9人のスタッフで運営する。今後は、「まだ不完全な部分がある」という日本向けの航空券販売サイトの改良を行い、WEBによる航空券の直販を拡充する。また、旅行会社経由での販売にも力を入れていく。特にOTA向けのセールスを重点的に取り組んでいく。松本支社長は「OTA経由での航空券販売はこれまでほとんどなかった。今回支社にセールス担当を4人配置した。今後はOTAを含めて旅行会社との接点を強化していくことにより、日本人の利用率拡大につなげていきたい」と述べた。
 CEBは今後、2022年までに新たに42機を新規投入する計画を立てている。このうち32機はエアバス321neo型機となっており、第1号機が年内にも納入されることになっている。A321neo型機は従来のA321型機に比べて航続距離が大幅に伸びるほか、低燃費での運航が可能であるのが特徴となっている。
 新機材の導入が今年から本格化するのを受け同社は国際線ネットワークをさらに強化していきたい考え。レイエス氏は「8月にマニラ−メルボルン線を就航するのを皮切りに、今後インド路線についても強化していくなど、国際線の強化に取り組んでいきたい」とした。
 日本路線についても「渡航者数増加に期待しており、A321neoを導入を機に、さらに路線拡大を目指していきたい。新機材は東京以北の運航も可能。新千歳線の就航は候補の1つとなる」と述べた。一方でフィリピン国内への就航先としてはマニラ、セブ以外にも、クラーク、ミンダナオ島のダバオ、カガヤン・デ・オロ、ビサヤ諸島のカリボ、イロイロの各空港をハブとして運航している。そうしたハブ空港から日本各都市への就航についてレイエス氏は「可能性の1つとして検討していきたい」と述べた。

 

※写真=日本支社開設を発表した関係者。写真右からセブ・パシフィック航空のアレックス・レイエス 貨物担当バイスプレジデント・公式スポークスパーソン、松本知彦日本支社長、アレクサンダー・ラオ 事業企画担当バイスプレジデント