記事検索はこちらで→
2019.04.19

WING

日本郵便、ドローン配送で「エリア包括で飛行申請可能」希望

生産性向上で郵便・物流事業にドローン活用へ

 ドローンによる郵便・物流配送を目指す日本郵便のオペレーション改革部の上田貴之専門役は今後更なる利用に向けて、機体の大型化が必要になるであろうことに言及しつつ、「今は1飛行ルートに1つの申請が必要」と話し、本格的に日本郵便がドローンを利用することになれば、大量の飛行申請が必要になってしまうとの見方を示し、「例えばエリアで包括的に申請できるようになれば手間が不要になる。航空局にも働きかけをしていきたい」と話した。国際ドローン展(幕張メッセ:4月17日?19日)で4月18日に明らかにした。
 日本郵便が物流でドローを活用しようという構想に至った背景について上田専門役は社会背景や事業環境、さらには郵便・物流事業環境など、同社を取り巻く環境が大きく変化してきたことに言及。とりわけ「人口減少が一番影響が大きい」とし、生産人口が減少するなかで、如何にして生産性を向上していくかという課題をクリアするために取り組んでいることを明かした。
 日本郵便は従業員数19万人を超える超巨大な組織だ。主力の郵便・物流事業では一日に3000万カ所もの配達箇所をスタッフが駆け回り、都市部のみならず、離島や山間部などの顧客に郵便物を届けている。
 一方で日本の社会構造が少子高齢化社会へと振れているなかで、現在のサービスを維持するためには相当な生産性向上に取り組まなければならない。長きに亘り蓄積した知見やノウハウをベースに、日本郵便はこれまでも生産性向上に向けた様々な取り組みを進めてきた。しかし、それでも「一定の限界がある」(上田専門役)ことが見えてきたというのだ。
 そうしたなか技術発展と共に、ドローンや自動配送・自動運転技術など、日本郵便の将来の生産性向上に寄与するであろうキラーコンテンツが生まれてきた。キラーコンテンツの一つであるドローンについて日本郵便は2015年には日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)に参画するなど、日本のドローン黎明期に注目。当初から物流事業に活用することを検討して、補助者なしの目視外飛行での利用を目指してきた。

 

※画像=日本郵便が福島の小高郵便局と浪江郵便局間で実施したドローン配送の飛行ルート。線路や架線を避けるかたちで直線ではないルートが敷かれた(提供:日本郵便)