2019.03.01

WING

SUBARU、装備庁に新多用途ヘリ「UH-X」試作機納入

UH-1J後継のマルチヘリ、防衛省が実用試験スタート

 SUBARU航空宇宙カンパニーは2月28日、防衛省に対して、陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプター「UH-X」試作機を納入した。機体を受領した防衛装備庁は今後、約一年間かけて、陸上自衛隊のミッションに適用することができるのかを確認する技術実用試験を実施する。その後、いよいよ量産がスタートしていくことになる。
 UH-Xは、去る2015年9月にSUBARUが防衛省から試作機の制作を受託したことを受け、パートナーであるベル・ヘリコプター・テキストロン社と共に、ベルが開発した412EPI発展型機をベースに民間向けの「SUBARU BELL 412EPX」を共同開発。この民間バージョンは昨年7月に米連邦航空局(FAA)から型式証明を取得することにこれまで成功しており、同機をプラットフォームとして、昨年12月25日には「UH-X」の飛行試験をスタート。各種性能確認、実証作業などを進めてきていた。こうした飛行試験が去る2月12日に完了したことを受けて、試作機の納入に漕ぎつけたかたちだ。ちなみに、民間バージョンの「SUBARU BELL 412EPX」は、今年1月18日には国土交通省航空局からも型式証明を取得済みで、国内外の民間市場に向けて、本格的な売り込みを展開中だ。
 UH-Xは現有のUH-1Jの後継機。中期防衛力整備計画には34機の調達が盛り込まれており、今年度はC-1契約として6機分の契約を予定している。陸上自衛隊では約130機を導入したUH-1Jの後継機として、今後20年間で約150機を導入することを見込む。
 島嶼攻撃事態やゲリコマ対策における空輸、患者の搬送などの支援を実施するほか、大規模災害における人命救助、住民の避難、空中消火、国際平和協力活動における支援物資の空輸など、マルチな活躍が期待されている。
 同日、SUBARUは宇都宮製作所南工場で納入式典を挙行した。この式典には、山崎幸二陸上幕僚長が駆け付けるなど、同機に対する陸上自衛隊の期待の高さをうかがわせるものとなった。

 

一見すると同じ機体、UH-1Jとの違いは?
随所に最新技術盛り込み性能向上

 

メイド・イン・宇都宮機の量産向け準備着々

 

民間機市場に確かな手応え
アジア市場など顧客の期待大きく

 


※写真=SUBARU航空宇宙カンパニーは防衛省に陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプター「UH-X」試作機を納入した

※写真=機体を受領した防衛装備庁は約一年間かけて技術実用試験を実施し、その後量産がスタートしていくことになる

※写真=SUBARUの中村知美社長は式典で、防民同時開発が日本の防衛産業の新たなムーブメントとなっていくだろうとの見方を示した

※写真=防衛装備庁の外園博一防衛技監は「(UH-Xは)昨今の安全保障環境や災害派遣などに対応するために必要不可欠。早期の戦力化が期待されている」と話した

※写真=式典には山崎幸二陸上幕僚長が駆け付けるなど、同機に対する陸上自衛隊の期待の高さをうかがわせるものとなった

※写真=UH-Xはエンジンを双発化したことで機体の安全性を向上させたほか、航続距離を延伸し、洋上飛行などのミッションへの対応力を高めている

※写真=UH-1との違いは、ローターブレードを2枚から4枚に増やしたことで、速度性能を向上することができるほか、振動特性を向上することができる。この4枚のブレードは複合材性で、UH-1Jでは金属製だった

※写真=SUBARU航空宇宙カンパニーの戸塚正一郎プレジデントは式典に先立つ記者会見で、民間機事業としての「SUBARU BELL 412EPX」としては「国内はもちろん、アジア地域に向けて幅広く営業活動を推進していく」などと話した