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2025.10.06

ウイングトラベル

★SKY本橋社長、中堅航空会社は存亡の危機

大手と比較ならぬ深刻度、利益なき繁忙に終止符を

 

 「私たち中堅航空会社が提供してきた路線網や多様な選択肢が、静かに、確実に存亡の危機に瀕していることを皆様にお伝えしたい」―。10月1日に国土交通省航空局が開催した「国内航空のあり方に関する有識者会議」の場で、スカイマークの本橋学社長はこう切り出した。スカイマークの2024年度の売上高は1088億円と過去最高を更新。しかしながら、「存亡の危機」と自ら表現するほど、事態は切迫しているとして、国内航空の危機を訴えた。
 スカイマークはコロナ前、2018年度の営業利益が72億円だった。しかしながら2024年度には営業利益18億円にまで急落。24年度は政府支援(空港使用料減免、航空燃税減免、燃料油激変緩和措置)が無ければ実質27億円の営業赤字で、営業損益が約100億円悪化するといった状況だった。
 本橋社長は有識者会議において、「我々中堅航空会社が直面する危機は、大手2社とは比較にならないほど深刻であることが現実」であることを強調。「円安、原油高という抗いようのない外部環境の変化は、コストをかつてないペースで押し上げている。現場の創意工夫で機材稼働率を上げ、収入増に努めてきたものの、努力だけではもはや対応できない状況に直面している」とし、「結果として、政府のご支援がなければ、我々は2年連続で赤字の海に沈んでいたことが実態だ」と苦しい状況を説明。「大手のように国際線や貨物事業で赤字を補填する安全網を持たない我々にとって、この状況は成長投資の余力、あるいは事業継続そのものを脅かすもの」と、強烈な危機感を露わにした。

 

※画像=国内航空の危機を訴えるスカイマーク。公正な持続可能な競争環境を訴える