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装備庁10周年で防衛装備移転と産業戦略焦点に

今後の課題は調達の最適化と産業基盤の強化
防衛省・自衛隊は10月1日、防衛装備庁創立10周年を記念する行事を行った。中谷元防衛大臣と青柳肇防衛装備庁長官が職員に訓示し、過去10年の成果を振り返るとともに、厳しさを増す安全保障環境の下で求められる装備調達のあり方や防衛産業基盤の強化について方針を示した。特に強調したのは、防衛産業とのパートナーシップ強化を装備行政の中核に据える姿勢だ。これまで装備庁として、中谷大臣は「官民連携の深化」を図ってきたとし、青柳長官は「官民合同推進体制が成果を生んだ」と説明した。次の10年に向けて、装備調達の効率化とともに、技術革新を迅速に取り込み、防衛力を支える産業基盤の持続可能性を確保することが求められる。
中谷大臣は、装備庁の設立当時に2期目の防衛大臣を務めていた経緯に言及し、10年目の現在も防衛大臣として迎えられたことに、感慨深い思いがあるとした。その上で防衛装備について「技術基盤は防衛力そのものであり、研究開発・取得・維持管理・国際協力を通じた強化が不可欠」と強調した。
10年間の成果として、防衛生産基盤強化法の制定や、防衛イノベーション科学技術研究所の創設、海外装備移転の進展、プロジェクト管理の拡充を列挙。特にフィリピンへの警戒監視レーダー移転や、日・英・伊によるGCAPを「平和と安全に資する具体例」だと評価した。
※写真1=中谷大臣は10年前の装備庁創立時も防衛大臣を務めた