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2025.09.30

WING

森田空幕長、F-2の飛行制限解除で訓練再開へ

 回収FDRの1次的解析で操縦者証言と一致

 森田雄博航空幕僚長は9月29日に臨時会見を開き、パイロットの緊急脱出によって先月から飛行を見合わせていたF-2戦闘機について「搭乗員への聞取りとFDRの1次的な解析によって、飛行の安全を確保する対策を講じた」とし、同日から飛行の制限を解除したことを発表した。
 F-2戦闘機は先月7日の事案発生以来、対領空侵犯措置など任務以外の飛行を見合わせていたが、飛行安全の確保のための対策によって「事故調査委員会による調査結果を待たずに飛行できる」と説明した。その上で、解除に至った理由については「厳しい安全保障環境の中で、空の守りを万全にするためには、F-2の訓練飛行の解除は必要」だとし、パイロットの錬成を停滞させずに飛行を継続することが重要だとした。
 森田空幕長は、今回のトラブルによるFDRの1次的な解析を踏まえて、搭乗していたパイロットが緊急脱出を行ったことは「この状況において適切だった」ことを強調した。トラブルの影響は「定量的には言えない」としながらも、飛行を見合わせている間にもシミュレーターや座学によって技量維持に努め、新規操縦者の養成に極力影響でないようにしてきた。しかし一定程度、実際の飛行を要する訓練が滞ったとして、飛行制限の解除が必要だったことを説明した。