記事検索はこちらで→
2025.09.08

WING

日豪防衛相会談、日本艦艇の選定契機に協力深化

 インド太平洋安定へ、共同訓練・装備協力包括強化

 中谷元防衛大臣とオーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防大臣は9月5日に防衛省で会談し、豪州が次期フリゲートとしてもがみ型護衛艦能力向上型での開発を決定したことを契機に、両国の防衛協力を一層強化していく方針を確認した。会談後には、横須賀でもがみ型の護衛艦「みくま」に乗艦して視察し、共同記者発表を行った。日・豪では今後、共通する艦艇を運用することによる相互運用性と、産業面での協力がさらに深まることなどを挙げ、日豪防衛関係が新たな段階に入ったことを強調した。
 会談では、もがみ型護衛艦能力向上型が選定されたとして、中谷大臣から「速やかで“ベスト、モガミ”な決断を心から歓迎する」と強調すると、今回の選定を日豪防衛協力の大きな一歩と評価した。これにマールズ大臣も「まさにベストなフリゲート艦だ」と称え、性能とコスト両面での優位性を強調した。日・豪では2026年初頭の契約締結を目指し、官民一体で取り組むことで一致した。この事業は、単なる豪州による艦艇調達だけに留まらず、相互運用性の飛躍的向上に貢献することを確認した。さらにインド太平洋地域での艦艇建造・維持基盤の強化や、サプライチェーン協力の深化など、広範な戦略的意義を持つことが確認された。

※写真1=日豪防衛相会談の冒頭で握手するマールズ大臣と中谷大臣