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三菱重工、T-4後継提案でエンベデット・シミュレーション採用
顕著な人手不足、パイロット訓練効率化へ
航空自衛隊のT-4練習機の後継として、三菱重工業があらたなジェット練習機を提案している。今年5月に千葉県の幕張メッセが開催された防衛装備品の見本市「DSEI Japan2025」においては、同社が考えるコンセプトを反映した機体の模型を展示した。本紙の取材に応じた三菱重工業防衛宇宙セグメントの世良義宏技師長(シニアフェロー)は、同機について「エンベデッド・シミュレーション技術を採用した機体としていくことを検討している」ことを明らかにした。
日英伊3カ国共同によるグローバル・コンバット・エアクラフト・プログラム(GCAP)の開発など、戦闘機は第6世代機の開発が進む。既存の第5世代機、つまり航空自衛隊が運用するF-35のパイロット養成はもちろん、第6世代機のパイロット養成に資する練習機の開発が期待されるのだ。
世良技師長は「防衛省のご要望に応じて、機体スペックは変化する。必要とする航続距離や速度などに応じて、機体サイズなども変わってくる」と説明。「その上で当社は戦闘機メーカーであり、その戦闘機自体が一層進化していくなかで、進化する戦闘機を操縦するパイロットを効率的に育成するという観点が重要なポイント」との見解を示した。
如何に効率的にパイロットの訓練を実施していくのか―――。世良技師長が明かしたように、エンベデッド・シミュレーションという言葉が、キーワードのようだ。
※この記事の概要
・戦闘能力の保持、過去にはT-2のケースも
産業基盤維持・発展、練習機を国産で など
