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2025.09.05

WING

Synspective、30年にSAR衛星30基体制、海外展開も

 大和市で生産体制拡張

 小型SAR(合成開口レーダー)衛星を活用したデータ・ソリューション提供事業を展開するSynspective(シンスペクティブ)。8月には、全天候・高頻度・高解像度という技術的優位性と実運用の実績が評価され、「日本スタートアップ大賞2025」で新設された「防衛大臣賞」を受賞した。防災や国土強靭化、安全保障など幅広い分野でレーダー衛星画像の活用が世界的に進むなか、足元の取り組みや今後の展望について、同社防衛情報事業室・秋山郁室長に聞いた。

――事業内容について。
 「小型SAR衛星を自社で開発・製造し、打ち上げから運用、データ取得、解析までを一貫して行っている。衛星そのものを販売するのではなく、取得したデータの提供、あるいは人工知能(AI)を活用した解析を経てソリューションとして顧客に届けるモデルだ。現時点では売上の大部分を衛星データ販売が占めており、特に防衛や安全保障領域が売り上げの中心となっている。現在の主要顧客は日本の官公庁。内閣府のスタートアッププログラムや経産省案件などで実績を積んでいる。今年は防衛省から大口案件も受注した。民間ではゼネコンや建設コンサル、保険会社との案件を進めている」