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2025.09.04

WING

兼松、航空宇宙・防衛事業で一気通貫バリューチェーン

 T-6初号機は2029年納入、32年まで段階的に

 航空自衛隊の次期初等練習機に、兼松が提案していたテキストロン社製の「T-6テキサンII 」が選定された。空の移動革命ツールとして注目される空飛ぶクルマでも、兼松はバーティポート(離発着場)を主軸に、新たな社会インフラの構築を進めている。宇宙分野では打ち上げから衛星運用、取得したデータ提供サービスなど、幅広い事業を展開。さまざまな技術が急速に成長してきているなか、兼松としても航空宇宙関連事業で攻めの事業展開を図っている。キーワードは、「環境」「安全」「快適」。航空宇宙部が属する車両・航空部門の共通テーマでもあるが、この3つのキーワードを柱に、航空宇宙・防衛領域でそれぞれ一気通貫型のサービス展開によって更なる飛躍を目指す。
 車両・航空セグメントは2024年3月期の当期利益が約31億円。全社の当期利益の11.6%を生み出した。同社は2025年3月期から2027年3月期までを対象とした中期経営計画「integration1.0」を策定しており、このなかでイノベーションの探索と実装の主要施策として、航空宇宙部が手掛けている空飛ぶクルマ、シエラスペースと展開中の宇宙関連事業が盛り込まれるなど、先駆的な取り組みを展開。今後、大いに伸びていくことが全社的に期待されているところ。