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2年要したNi基合金微細構造計算をわずか5分で!?

従来手法覆す新計算手法、材料設計の新基準なるか
横浜国立大学の研究チームが、多元素合金の微細構造を予測する新たな手法を確立することに成功した。従来、2年以上もの計算期間を要していた10元素以上から成る航空エンジンのニッケル(Ni)基超合金の微細構造予測を、わずか5分で完了することを実証したことを明らかにした。
さらに、この新手法を活用して世界最多となる20元素を含む合金において、液体状態から固体へ変化する凝固過程で組成や温度の空間分布、あるいは微細構造の形成過程などを数値的に計算する凝固計算にも成功した。
こうした成果について研究チームは、材料開発における実用合金設計アプローチを、従来の試行錯誤的な実験から、計算科学を基盤とした効率的かつ再現性の高いデジタル主導のプロセスへと大きく転換させるものとの見方を示した。
※画像=従来法で2年以上かかる航空エンジンのNi基超合金の微細構造計算が新手法ならわずか5分で完了(提供:横浜国立大学)