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2025.06.30

WING

可動率伸びないP-1、会計検査院がメス

 慢性的部品不足、各組織一体で改善を

 可動率が伸び悩む海上自衛隊のP-1固定翼哨戒機に、会計検査院がついにメス―――。会計検査院は、可動率が低調な要因となっている交換部品の不足について、「調達方法をより効率的、効果的なものとすることなどについて検討すること」のほか、「状況の改善が見込まれない場合には、機体用交換部品の安定供給のための方策も検討するなどして、防衛省が一体となって機体用交換部品が不足することのないよう努めること」などを防衛省に要望。不具合対策なども含め、防衛省の各組織が連携して一体となって可動率改善に取り組む必要性があるとの見解を示した。
 航空自衛隊のC-2輸送機と一体開発されたP-1は、P-3C哨戒機の後継機として1991年度に調査研究を開始。その後、2001年度から開発が進み、2013年3月に部隊使用承認を取得・運用がスタートした。2024年9月現在、海上自衛隊の3つの航空基地に計35機が配備されている。
 ジェットエンジンを搭載し、高速で広範囲の哨戒領域をカバーできる固定翼哨戒機として期待されたものの、とりわけ日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増すなか、可動率低迷は長年の課題となっていた。