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2025.06.24

WING

アイスペース、月着陸失敗はLRFのハードウェア異常

 着陸センサーの検証・再選定実施へ

 ispace(アイスペース)は6月24日、月着陸ミッションの失敗について、「月面までの高度推計を行うレーザーレンジファインダー(LRF)のハードウェア異常が技術的要因になった」(アイスペース・袴田武史社長)ことを明らかにした。同日都内で開いた会見で説明した。①降下時のLRF性能が事前の想定よりも悪かった②航行中にLRFが故障・性能劣化した―の2つが考えられるとした。今後は、着陸センサーの検証戦略の見直しや、再選定などを通じて改善を図る。これにともない、開発費が最大で約15億円増える想定だ。
 アイスペースの月着陸船「レジリエンスランダー」は日本時間6月6日未明、月着陸ミッションに挑んだ。着陸に向けた減速噴射と姿勢変更フェーズまでは成功していたが、高度192メートルの時点で通信が途絶し、月面にハードランディングした。
 データを分析したところ、高度3キロメートルまでにLRFが有効な計測を開始する計画だったが、高度1キロメートルまで実施されなかったことがわかった。この時点からランダーが急減速を始めたが間に合わず、月面に衝突した。