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2025.06.24

ウイングトラベル

★NAA藤井社長、成田発展へ地域と共生・共栄など3本柱

 田村前社長からバトン引き継ぐ、「発展へ全力を尽くす」

 

 成田国際空港会社(NAA)は6月20日に開催した定時株主総会および取締役会を経て、藤井直樹社長の就任を正式に決議した。田村明比古・前社長は相談役に退いた。同日、記者会見に臨んだ藤井社長は今後の舵取りでとくに重視したい項目として「空港と地域の共生・共栄の継続と発展」、「安全の確保」、「航空需要の増加あるいは多様化に対する的確な対応を図る」という3本柱を掲げた。
 田村前社長からバトンを託された藤井社長は「日本を代表する空港の運営整備を担うという、その責任の重さを考えると、改めて気が引き締まる思いだ。成田空港の発展のために全力を尽くす覚悟だ」と述べた。
 その藤井社長が今後重視したい項目の第1の柱として掲げたのが、「空港と地域の共生・共栄の継続と発展」だ。この観点について藤井社長は、成田空港が開港以来、地元の協力・支援があって国際玄関としての重要な役割を果たしてきたことに触れつつ、「これまでの成田空港の歴史の中で醸成されてきた関係者との信頼関係をさらに深め、空港と地域の共生・共栄を目指し努力をしてまいりたい」と話し、空港と地元地域が共に一層発展する将来像を目指すことを誓った。
 成田空港の更なる機能強化、新しい成田空港構想を推進していく上では、やはり用地買収が一つの大きな鍵となるが、「地元の自治体、地権者、関係者に必要性についてまずはご理解頂き、しっかりと向き合った話し合いの上で、進むようにすることが基本だと考えている」とコメントした。
 また、2本目の柱「安全の確保」にも尽力する。「航空輸送にとって最も重要なのが安全の確保であるということは言うまでもない」と前置きしつつ、「航空事故の未然防止ということはもちろんのこと、台風や地震などの自然災害、さらにはコロナのような感染症が発生した場合の対応、サイバーテロ対策など、様々な状況に応じた危機管理を徹底することが必要」であることを強調。さまざまなリスクへの対策を万全にすることで、「我が国の基幹空港である成田空港の安全安心かつ安定したサービスの提供を確保していきたい」とした。
 そして3本目の「航空需要の増加あるいは多様化に対する的確な対応を図る」という点については、「コロナ禍も収束し、日本を訪れる外国人の観光客数は今年も4000万人を超える勢いで推移している。また半導体、医薬品、eコマースなどの旺盛な物流需要に支えられ、成田空港は金額ベースで見ると日本最大の貿易港となっている」ことに言及。「成田空港は、首都圏の基幹的な国際空港として、これらの増大するインバウンドや物流需要にしっかりと応えていく必要がある」ことを強調した。
 藤井社長としては、国際線ネットワークはもちろんのこと、LCCを中心とした国内線ネットワークのさらなる拡大を図ることで、成田空港の更なる利便性向上を目指す方針だ。

 

※画像=NAAの社長に就任した藤井直樹氏