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2025.06.04

ウイングトラベル

★航空会社純利益、25年は前年比1.3%増の36億ドル予想

 総収入は過去最高979億ドル、前回予測1兆ドル届かず

 

 地政学的リスクの高まり、相互関税など、航空業界を取り巻く周辺環境には逆風が吹いている。それでも今年の航空会社の業績予想は、前年を上回って推移する見通しだ―――一抹の先行き不安を抱えつつ。
 航空会社の業界団体である国際航空運送協会(IATA)は6月2日(ニューデリー現地時間)、最新の2025年の航空業界の見通しを発表した。それによれば、純利益は36億米ドルと、昨年の32.4億ドルから上昇する見通し。ただ、昨年12月にIATAが公表した2025年の予測では36.6億ドルと予測していたことから、業績見通しを下方修正したかたちだ。
 IATAは総収入について、過去最高の979億ドルと予測。これは前年比1.3%の増収となる見通しだが、IATAは前回予測では1兆ドルに達すると予測しており、今回公表した最新予測では、わずかに1兆ドルの大台には届かない見通しだ。
 旅客数は前年比4%増の49.9億人を見込むものの、前回予測の52.2億人を下回る予想。航空貨物総量も0.6%増加する6900万トンを見込むものの、前回予測7250万トンを下回るとした。
 また、純利益率は3.7%と予想。これは2024年実績の3.4%、さらには昨年12月に発表した今年の予測3.6%と比べて改善する。投資資本利益率(ROIC)に関しては6.7%との見通しを示しており、2024年の6.6%から改善。前回予測とほぼ同水準をキープする。営業利益については66.0億ドルと予測し、2024年の推定61.9億ドルから改善するものの、前回予測の67.5億ドルを下回る予測となった。
総費用は913億ドルで、昨年比1%の費用増を見込むとした。ただ、これは前回予測の940億ドルを下回っている。

 

※写真=IATAの最新予測では2025年の航空会社の純利益は36億ドル予想。昨年を上回るも、前回予想を下方修正した