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2025.05.28

ウイングトラベル

★国内旅行活性化へ世代需要捉えた交流市場開拓を

 政府、令和7年版観光白書を閣議決定

 

 政府は5月27日、「令和7年(2025年)版観光白書」を閣議決定した。白書では世界や日本の観光動向や2024年度の取り組みや25年度に講じようとする施策に対して紹介した。また、観光振興において特筆すべき点について紹介する「テーマ章」では「日本人の国内旅行の活性化に向けて」と題し、国内旅行の拡大に向けた課題や国内交流の拡大に向けた取り組みについて紹介した。日本人による国内旅行は国内旅行消費額全体の7割超を占める。他方で国内延べ旅行者や旅行経験率が長期的に伸び悩んでいることが課題であると指摘。今後人口減少・少子高齢化が進む中で世代ごとに求める旅行ニーズを踏まえた交流市場の開拓や旅行実施における各種ハードルを解消していく取り組みが必要であるとした。

 

 24年の国際観光客数はコロナ禍前水準まで回復
 日本は旅客数・消費額ともに過去最高に

 

 観光白書の第1部では世界と日本の観光動向について紹介している。2023年の「外国人旅行者受入数」ランキングを見るとトップのフランスが1億人の大台を突破。以下スペイン、米国、イタリア、トルコと続いた。23年は2510万人であった日本は世界で15位。アジアではタイ(2820万人)に続く2位のポジションとなった。
 国連世界観光機関(UNツーリズム)がまとめた2024年の国際観光客数は14億4500万人となった。前年からは10.7%の増加。新型コロナウイルス感染拡大前となる2019年との比較では1.3%減となり、ほぼコロナ禍前まで回復する結果となった。
 日本の訪日外国人旅行者数は19年比15.6%増の3687万人となり、過去最高となった。国籍・地域別の内訳を見ると韓国が最も多く、次いで中国、台湾、米国、香港の順となった。
 訪日外国人旅行消費額については19年比68.8%増の8兆1257億円と大幅に増加。こちらも過去最高の水準となった。消費額の国籍・地域別内訳を見ると中国が最も大きく、次いで台湾、韓国、米国、香港の順となった。

 

※写真=地域経済活性化のためにも伸び悩む国内旅行の需要喚起が不可欠だ