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2025.05.14

WING

JAXA、スポラティックE層の形成過程解明向け実験

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月13日、電波送受信の妨げとなる「中緯度域電離圏におけるスポラディックE層の形成過程の解明」を目的とした観測ロケット「S-310-46号機」を打ち上げると発表した。
 ロケットの先端に設置したセンサーで、上昇時と落下時の2度、層を通り抜ける際にデータを取得する。実験予定日は7月8日で、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)で行う。悪天候や層の発生が不十分な場合は、8月31日までの期日に延期する。中性大気・プラズマ大気の、主要な全ての物理量を直接計測する初めての試みとなる。
 スポラティックE層は、地上からの高度約90km~130kmの電離圏E層内に出現する、プラズマ密度が局所的に高くなっている領域。夏場に発生することが多く、電波を通しにくいため、例えば飛行機の位置情報にずれが生じたり、防災無線放送が乱れたりするなど、さまざまな場面に影響を及ぼす。
 今回、内之浦上空の高度90~130km において、中性大気・プラズマ大気・電場・磁場の直接観測を行い、昼間の中緯度域電離圏におけるスポラディックE層の形成過程解明を目指す。