ウイングトラベル
★豪旅行商談会「ATE」ブリスベンで開催、過去最大規模に

観光局、29年に日本人68万人目標、航空便拡大に期待
オ-ストラリア政府観光局は、毎年恒例のトラベル・トレ-ドショ-「ATE(Australian Tourism Exchange)25」をクイ-ンズランド州ブリスベンで開催した。45回目となる今回は、オ-ストラリア国内から1600人のセラ-と、日本の24人を含む31カ国から640人のバイヤ-が参加。4月28日から5月1日までの期間中に6万件の商談を実施し、過去最大規模での開催となった。開催に合わせ、観光局は2029年に日本人訪問者数を68万人とする目標を発表、航空座席供給の拡大やグロ-バルキャンペ-ンなど、引き続き需要拡大に努める。
記者会見の場で、観光局のフィリパ・ハリソン総局長は、「日本市場はこの12カ月間で大きな成長を遂げている」と述べ、その要因として航空便の拡大を挙げた。日本からオ-ストラリアへの訪問者数は、2024年に39万5796人に達し、コロナ前の2019年比で約8割まで回復。観光局が掲げる2029年の目標値68万人は、2024年比で約1.7倍、2019年比で約1.4倍に相当する。
日豪間の航空座席供給は、昨年にANAが成田-パ-ス線の運航を再開したほか、日本航空が成田-メルボルン線を増便するなど、引き続き拡大傾向にある。今年は、2月にヴァ-ジン・オ-ストラリアが羽田-ケアンズ線を運休したことで、7月単月で前年同月比3%減と一時的に減少する見通しだが、冬期にはカンタス航空が新千歳-シドニ-線の開設を予定している。
日本を含む国際マ-ケットからの訪問者数も、2025年2月までの12カ月間で830万人と、前年比9%増、なかでも休暇目的の訪問は前年比14%増と好調に推移。観光局では日本を含む15カ国を重要市場と位置づけるが、今年からは新たにベトナムを加え、16市場に拡大。なお、日本は訪問者数で7番目、休暇目的では5番目に多い市場となっている。
オ-ストラリア発着国際線の座席供給についても「以前より季節変動が著しい」傾向にあるものの、すでに2019年のコロナ前の水準を上回る。今後は24時間運用可能な西シドニ-国際空港の開港を来年に控えるほか、ニュ-ヨ-クやロンドンへの超長距離路線、長距離飛行が可能な単通路機材による近隣アジア地域からの新規路線など「新型航空機の導入によって、さらに多くの新ル-ト開拓のチャンスが生まれる」と期待を示す。
ATE会場には空港会社と航空会社が商談できる「Aviation Hub」を設けた。航空便誘致には、独自の基金を設ける州があるなど、国や州、空港が連携して積極的に動いている。
※写真=記者会見でプレゼンテ-ションを行うオ-ストラリア政府観光局総局長フィリパ・ハリソン氏