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2025.03.17

WING

コスモ石油、国内初の国産SAF量産施設稼働

 年産3万KLは26年、原料の廃食油は「概ね確保」

 コスモ石油は3月13日、都内で記者会見を開き、同社のSAF(持続可能な航空燃料)の取り組みを説明した。同社の堺製油所で4月から廃食用油を原料としたSAFの本格生産をスタートし、今後、年間3万キロリットルを生産していくことなどにあらためて言及。同社は廃食用油を原料としたSAF事業のほか、バイオエタノール原料としたSAF事業、そしてタイなどからの輸入により、2030年に年間30万キロリットルのSAFを国内に供給することを目指す計画だ。堺製油所で生産されたSAFは、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)そしてDHL Expressに供給することが決まっている。
 航空業界は2050年カーボン・ニュートラルの実現に向けて、SAF、新技術、運航の高度化などを柱にした環境対策を推進中だ。なかでもSAFが第1の柱になることが想定されている。
 世界全体のSAF供給量は2022年の時点でわずか30万キロリットルとされ、2025年でも約800万キロリットルに留まる見通し。年々、生産量が急速に増加しているものの、それでも需給にかなり大きなギャップがある。
 SAFは既にグローバルで奪い合いが発生しているが、その供給量がわずかであることから生産したとしてもすべて購入されている状況。日本国内ではこれまで、諸外国からの輸入に依存してきたが、コスモ石油がいよいよ国内初の国産SAFの量産設備を竣工し、4月からいよいよ本格稼働する。

※この記事の概要
・第2弾はアルコール原料、年産15万KL
 ATJ施設、29年以降に完工・稼働
・社会全体でコスト許容する機運・情勢を  など