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2024.03.26

WING

ボーイング、カルフーンCEOが今年末の退任決断

民間機部門のディールCEOが即日退任、ポープ氏が後任に

 品質問題に揺らぐボーイングは3月25日、デイビッド・カルフーン社長兼最高経営責任者(CEO)が2024年末に、CEOを退任することを発表した。年末末までの残りの間、現在進行中の品質問題への対応や新経営陣に対する引き継ぎを行うべく、引き続き、同社を牽引していく。
 さらにラリー・ケルナー取締役会会長も、次の年次株主総会での再選に立候補しない意向を取締役会に伝えた。これを受けてボーイングの取締役会は、ケルナー氏の後任として、スティーブ・モレンコフ氏を会長に選出した。モレンコフ氏は取締役会会長として、ボーイングの次期CEOの選出を指揮することになる。
 また、ボーイング民間航空機部門社長兼CEOのスタン・ディール氏が3月25日付で退任することも発表。その後任として、同日付でステファニー・ポープ氏が民間航空機部門を率いることになった。
 混乱に次ぐ混乱―――。ボーイングは737MAX墜落事故の発生によってMCAS不具合の発生発覚以降、787型機の品質問題など、複数の品質およびガバナンス問題に直面。これらがようやく落ち着きを取り戻しつつあったなか、今年1月5日、飛行中のアラスカ航空1282便のドアプラグが外れるという事故が発生した。その後、続々と品質および安全にかかわる重大な問題が浮き彫りになっていった。

※写真=年内退任を決めたカルフーンCEO(提供:ボーイング)

※この記事の概要
・カルフーンCEO、「アラスカ機事故は分水嶺」
 今の困難はボーイングの将来世代の基準確立に
・CEO退任は取締役会で準備してきたもの
 経営やガバナンス・レベルで多大な変化へ  など