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2023.12.27

WING

装備移転三原則見直し、ライセンス品移転可能に

 米国以外の関係国も対象、一部議論は継続

 

 日本政府は12月22日に、防衛装備移転三原則とその運用指針を見直し、米国以外の国が由来のライセンス生産品を元国へ提供できるようにした。修理などの役務も同様に、安全保障協力関係にある国への提供を可能とした。一方で、次期戦闘機にも関連する国際共同開発による完成品の第三国移転や、5類系の見直しについては、今回の改正には反映せずに引き続き議論が必要だとした。
 この見直しは、2022年末策定の国家安全保障戦略や、与党WT合意の政府への提言を踏まえて行ったもの。3つの原則そのものを維持した上で、必要性に応じて改正した。これまでライセンス生産品の提供は米国のみで、なおかつ部品の移転が対象だった。これは米国の要請があれば、日本から第三国への輸送が可能となるもの。それを今回の改正で、米国以外の国も対象に含めて提供可能とした上で、部品だけではなく完成品のライセンスバックを可能とした。
 改正後の第三国輸送については、自衛隊法上の武器に該当する生産品の場合、特別な事情がない限り武力紛争によって戦闘を行っていると判断した国には提供しない。日本からの輸送が可能な第三国は、元国の輸出管理制度許可を受けている国であり、さらに完成品の輸送は日本政府が行う厳格審査に同意した国が対象となる。
 また今回の改正では、日本との間で安全保障面で協力関係にある国に対し、総じて部品の移転を可能とした。これは部品の定義を明確化して、完成品との違いを示したことで可能とした。三原則上の部品は、完成品の一部として組み込まれているもので、それのみでは装備品として機能しないものとした。例えば戦闘機でいえば、主翼やエンジンは部品に該当するが、バルカン砲やミサイルなどはそれだけで使用可能なため完成品に該当する。その上で自衛隊法上の武器から部品を除き、移転を可能にした。

 

※写真=防衛装備移転三原則・運用指針を見直し、米国以外でもライセンス品の移転が可能になった

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